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兵庫県立農林水産技術総合センター
お知らせ -記者発表-

有用菌をコーティングした種子で病害防除


月/日
(曜日)
事務所等名 電 話 発表者(担当者) その他の配布先
12/22
(火)

県立農林水産技術総合センター
(農業技術センター 環境・病害虫部)
 
0790-
@47-2447
A47-2400
所長 和田 眞由美
@研究主幹(防除指導担当)
相野 公孝
A主幹(広報情報担当)
 井上 智
県政記者クラブ


 生物農薬に使われている有用菌を種子にコーティング(ライブコート)して、種子として蒔(ま)くだけで防除効果のある技術を当センターと潟Tカタのタネが新たに共同開発しました。
 本技術の開発により、1.有用菌を吸着させる培土が不要、2.最小限の有用菌で効果を発揮、3.生物農薬の散布作業等も不要 となるなど、簡単・便利になりました。

1 ライブコート技術の内容
(1) 当技術の開発の経緯
 食の安全・安心へのニーズが高まる中、化学合成農薬に依存しない病害虫防除の方法として、病害に対する拮抗微生物である生物農薬の使用が注目されています。
 現在流通している生物農薬の使用法は、水に溶かして作物への散布や種子を漬けたり、また、培土に混ぜて使うなど、余分な手間が必要で簡略化が求められていました。
(2) 技術の内容
 トマト青枯病防除剤の生物農薬に含まれる有用菌をトマトの種子にコーティングし三ヶ月以上保存することができる、次の技術を開発しました。
○種子に有用菌を付着させるため減圧処理し、種子の毛穴の中に菌を封入
○低温乾燥処理により、有用菌を休眠
○有用菌がはがれ落ちない様に固着剤を開発
 コーティングした種子を用いたほ場試験では、高い防除効果が確認できました。
                                      
ライブコート技術の説明図
2 開発技術の導入対象
 生物農薬は発病の多いほ場では効果が出ない場合があり、病害の初発ほ場又は未発生ほ場で使用します。県下全域のトマト生産者(約290ha)のうち、青枯病の発生する普通期(5月〜6月)、抑制栽培地域(夏期栽培)約40haが導入対象です。

3 ライブコート技術の今後の普及
(1) 生物農薬の使用方法の拡大には農薬登録が必要なため、現在、登録作業を進めており、今後1〜2年中の販売を目指しています。
(2) 今後、ライブコート技術で利用できる対象作物や生物農薬の種類を拡大する予定です。
参考
1 ライブコートの効果
病原菌の感染株率 茎の断面の褐変度合い
生物農薬のライブコート区 50% 18%
生物農薬の一般処理区 67% 28%
無処理区 90% 55%

○トマト青枯病菌への感染株率は、90% → 50%に大幅に抑制され、生物農薬の一般処理区に比べても抑制効果の高いことが分かりました。
○茎の断面の褐変度合いが抑制されたことにより、感染株についてもトマトの茎の導管の損傷が軽く、被害抑制に繋がることが分かりました。
2 ライブコートのコスト
 現在販売されている生物農薬「一般市販品」の経費(約50円/1苗あたり)の1/5〜1/10を目標に製品化に努力します。
3 写真
 ほ場での試験状況
ほ場での試験状況

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