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兵庫県立農林水産技術総合センター
お知らせ -記者発表-

白いシートの被覆でいちじくの品質が大幅に向上
(虫害、腐敗果が減少し、甘いいちじくが採れる)


月/日
(曜日)
事務所等名 電 話 発表者(担当者) その他の配布先
7/24
(金)
県立農林水産技術総合センター
 農産園芸部
0790‐
@47-2424
A47-2400
所長 和田 眞由美
(@研究主幹(果樹担当)
 小山 佳彦)
(A主幹(広報情報担当)
井上 智)
県庁記者クラブ

                       

 いちじくの果実は軟らかく極めて日持ちが悪いため、特に成熟時の降雨、日照不足は、糖度、着色の低下、裂果の増大とともに腐敗果の激発を招き、収益に大きく影響を及ぼします。当センターでは光をよく反射し、降雨は通さないが地表からの水蒸気は蒸散させる性質を併せ持つ「透湿性白色シート」に着目し、これを樹下の地表に被覆して土壌水分の管理と光環境の改善によって、果実品質を著しく向上させることを実証しました。

1 白色シート被覆の効果
(1) いちじく園の環境に及ぼす効果
 光をよく反射する(約90%)ため園内が明るくなる。特に地表面に近く、暗い地上高50p付近の相対日射量(全天日射を100%とすると通常4.6%程度)が11.0%にまで上昇する。
(2) いちじく果実に及ぼす効果
○土壌の水分過剰を防ぐことによる効果
・糖度が上昇(15.5→17.2度)し、甘いいちじくが収穫される。
・成熟直前に果実が水を吸い過ぎて発生する裂果、腐敗果が減少する。(9月上旬の腐敗果の発生は、86.7%→33.3%に減少)
○光量が増えることによる効果
・いちじくの市場価格を最も左右する着色がよくなる。(果実の着色度を示すカラーチャート値は、7.2→7.9に上昇)
・果実を食害する害虫「アザミウマ(スリップス)類」の行動を強い反射光によってかく乱し、被害を軽減できる(被害果率19.2%→7.6%に減少)。
(3) 経済的効果
○白色シートの経費は10aあたり12万円かかる(耐用年数2〜3年)。
○果実品質の向上と腐敗果、スリップス被害果の軽減等により、資材費以上の経済効果が期待できる。(腐敗果、裂果の発生率30%→10%に軽減、収量(3t/10a)×20%=600s×400円(単価)=24万円の増収)

2 白色シート使用上の留意点
○使用を避ける園
 水分を制限するため新梢伸長が抑制され、果実はやや小玉化する傾向があるので、センチュウ被害を受けている園等、樹勢の弱い園には適用しない。
○連続晴天時にはかん水が必要
 樹勢の調節には連続晴天時にかん水を継続して行うことが重要である。被覆した状態でかん水でき、かん水量の把握が容易なチューブかん水等の設備を整える。

3 開発技術の導入対象
 県下全域のいちじく生産者(約90ha)のうち、白色シートを被覆しやすい棚の構造やチューブかん水等の設備が整っているなど、導入に適するいちじく園約20haを目標とする。

4 県下の普及状況と今後の方針
 現在、県下各地のいちじく産地で試験導入が行われており、特に淡路市では普及面積が増えつつある。また、生産者向けの兵庫県果樹研究会作成の栽培マニュアル「いちじく栽培の手引き」、いちじく研究大会(6月18日)での紹介に加え、農業改良普及センターと連携しながら、今後さらに普及に努める。

今回開発技術(透湿性白色シート) 従来技術(シルバービニール)
被覆方法等 6月中旬〜7月下旬に地表面に被覆(1樹列(幅2m)につき1m幅を2枚)する。
引っ張り強度に優れ、踏んでも破れないため、3年ほど使用可能。
6月中旬〜7月下旬に被覆する。
材質が柔らかく、破れやすい。
土穣水分の制御 雨を通さず、しかも被覆材の表面から水分が蒸発するため、土壌が過湿になりにくい。
被覆によって急激な土壌の乾燥を抑えるとともに、乾燥時は表面からかん水を行えば適切な土壌水分を維持することが可能。
晴天時には乾燥を抑えるが、いったん土壌中に水分が入りすぎると水分が蒸発せず、過湿状態が続く。

いちじく記者発表資料(PDF:133KB)
                                                           

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