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兵庫県立農林水産技術総合センター
お知らせ -記者発表-

イチゴ農家に朗報、「ランナー子株冷蔵貯蔵技術」で育苗労力の負担が軽減

月/日
(曜日)
担当事務所名
担当課名
TEL 発表者名 その他の配布先
5/25
(月)

県立農林水産技術総合センター
(農業技術センター農産園芸部)

0790-
@47-2423
A47-2400

所長 和田眞由美
(@研究主幹(野菜担当)
秋山 隆
A主幹(広報情報担当)
井上 智)
 県庁記者クラブ

1 開発技術の内容
 親株を4月にプランター等に定植し、2〜3葉期まで育成したランナー子株の採苗は、従来、苗揃いを確保するため一度に行わなければならなかったが、採苗後の小苗を冷蔵貯蔵することで、約1ヶ月の間に3回に分けて採苗作業をすることができる。さらに、採苗後すぐに行う必要があったポット等への挿し苗作業を別の日に行えるなど、採苗等作業の分散化が可能となった。



















2 本技術導入の効果
@採苗作業時期の労力集中が緩和される。
慣 行:1日当たり14時間(採苗8hr+挿し苗6hr)×3日間=42時間/3日間
新技術:1日当たり9時間(採苗8hr+冷蔵1hr)×3回(9日間※)+9時間(挿し苗)×2日間=45時間/11日間最少4.1時間/日で作      業可能 ※1回3日間×3回
A採苗及び挿し苗作業の日程や作業量を人為的に調整できることから、計画的な作業が可能となり、雇用労力の利用や経営規模拡大が容易になる。

3 本技術の導入対象
 栽培面積20a以上の農家(県内に約100戸)

4 本技術の導入に必要な資材、経費
 冷蔵庫:既存のものを使用(予冷庫、冷凍ストッカー等を使用)
 ポリ袋:台所用品を購入して使用(約1,200円/100枚)
 コンテナ:既存のものを使用

5 今後の普及方針
 農業改良普及センターを通じていちご栽培農家に情報提供する。また、生産者向けマニュアル、パンフレットを作成・配布するとともに、兵庫県ハウスいちご研究会総会(7/16)や各種研修会で説明し、普及に努める。

6 技術開発の経緯と内容
 イチゴは、他の果菜類に比べ定植株数が多く(10a当たり8,000〜9,000株)、育苗管理、定植やそれに続く摘葉、収穫管理に大きな労力を必要とする。特に、促成栽培(年内から翌春まで収穫する作型)では、収穫や次作に向けたほ場準備と育苗期間が重なるため生産者の負担が大きく、育苗時の作業集中が経営規模拡大の妨げとなっている。
 そこで、苗の準備に係る採(さい)苗(びょう)・仮植作業の分散、作業期間の拡大に効果の高い“ランナー子株冷蔵貯蔵技術”を開発した。
@1株ずつ切り離すことにより、小さいスペースで貯蔵できる。
切り離したランナー子株は280×400mmのポリ袋に120株程度詰めると直方体に近く取扱い容易で、大規模農家では外寸524×365×h309mmのコンテナに10袋前後入り、積み重ね可能で冷蔵庫に保存しやすい。
Aランナー子株は、冷蔵庫で1ヶ月間貯蔵可能。
切り離したランナー子株は、速やかにポリ袋に向きを揃えて入れ、葉が上になるようにコンテナに詰めて冷蔵庫に入庫し、マイナス2〜0℃で温度管理する。約2ヶ月間は、葉やランナーの褐変などの障害発生も少なく貯蔵できるが、貯蔵期間が長いほど開花期が遅れるため、貯蔵は1ヶ月までとする。

参考
1 いちごのランナー子株の採苗方法
HB-101栽培イチゴの親株管理

2 採苗から冷蔵までの作業手順









ランナー切り離し後、向きを揃えてポリ袋に入れる。葉を上にしてコンテナに詰め、マイナス2〜0℃の冷蔵庫に入庫する。

3 出庫後の挿し苗と育苗
    

出庫後の苗は直ちに挿し苗し、葉水をあたえ手潅水または底面潅水を行い活着させる。

4 慣行の方法との比較

採苗作業

挿し苗作業

慣 行

2〜3葉期のランナー子株が必要数そろった時期を見計らって、一度に採苗する。(7月上旬のある1日に全て採苗、すぐ挿し苗)

採苗したランナー子株は、すぐに(当日中〜翌日午前中)挿し苗する。

ランナー子株冷蔵貯蔵技術

2〜3葉期になった苗を、順次採苗し、冷蔵する。(概ね3回に分けて採苗することが可能)

冷蔵庫に保存中の子株を、作業計画に合わせて出庫し、すぐに挿し苗をする。

比 較

保存可能期間が約1ヶ月あることから、採苗作業を数回に分けることができ、1回あたりの作業量を調節して分散することが可能。

採苗日と挿し苗日(=出庫日)を分離でき、採苗当日の労力集中を分散できる。また、挿し苗日をある程度自由に設定可能。


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