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兵庫県立農林水産技術総合センター
お知らせ -記者発表-

「コウノトリ育む農法」が育む、多様な「生きもの」

月/日
(曜日)
事務所等名 電 話 発表者(担当者) 配布先
11月26日
(金)

県立農林水産技術総合センター
(農業技術センター 農産園芸部)
 
0790-
@47-2410
A47-2400
所長 和田 眞由美
@研究主幹(主作担当)
 松本 功
A主幹(広報情報担当)
 井上 智
県政記者クラブ
北播磨県民局


 県ではコウノトリの野生復帰を目指し、コウノトリと共生できる地域づくりに積極的に取り組んでおり、農業面では無農薬・減農薬栽培の環境創造型農業「コウノトリ育む農法※」の取り組みを地域と連携して推進しています。同農法は、多様な生きものを育むことを目標に取り組まれていますが、どの様な生きものが増える等具体的なことは十分わかっていませんでした。
 当センターでは、「同農法支援チーム」を設置し、同農法の除草対策等の技術確立を支援するとともに、慣行農法と比べどの様な生きものが多いか等の調査を行ったところ、いくつかの「生きもの」が数多く確認されることが分かりました。

※:コウノトリと共生できる安定的な水田環境をめざし、無農薬、減農薬、栽培期間中の化学肥料不使用、早期湛水(たんすい)、中干し延期、畦畔(けいはん)管理、有機資材の活用などの共通事項と、抑草技術の導入、生きもの調査、冬期湛水などの選択事項を要件として定めている。本農法は2002年から豊岡市のコウノトリの郷公園周辺地域を中心に始まり、2009年では、但馬全域に広がっている。(栽培面積320f)

1 「コウノトリ育む農法」のほ場で多かった「生きもの」
 同農法実施ほ場では、慣行ほ場に比べ次の生きものが数多く確認されました。
 @底生生物ではイトミミズ類、Aカエル類ではトノサマガエル、B水生生物ではコミズムシ、ヒメアメンボ、ゴマフガムシ幼虫・成虫、ゲンゴロウ科数種の幼虫・成虫、C地上の生きものではヤサガタアシナガグモ、アジアイトトンボ

2 生きもの調査の方法
イトミミズ類 トノサマガエル コミズムシ ヒメアメンボ アシナガグモ類
調査方法 50p2×深さ10pの水田の土に含まれる数 畦(あぜ)20bあたりの数 口径30pのD字型の魚網で水田内の条間を1bすくい、含まれる数 稲10株から払い落とした数
調査時期 7月上旬

3 「生きもの」が多かった理由

 ○イトミミズ類:早期湛水と中干し延期※により水田の湛水状態が慣行栽培に比べ約40日長く維持されたこと、たい肥等有機資材の施用により餌となる有機物が増加したためと考えられます。
 ○トノサマガエル:オタマジャクシがカエルに変態するまで中干しを延期するなど、生きものの生態に配慮した栽培管理を行ったためと考えられます。
 ○その他の生きもの:現在解明中です。
※:早期湛水(田植え1カ月前から水田に水を張る。)  中干し延期(6月下旬→7月10日頃を目安に実施)

4 その他
 ○「コウノトリ育む農法」実施地区では、これらの生物種の調査により取り組み効果を目で見て確認することができます。


参考


            「コウノトリ育む農法」の要件

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