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兵庫県立農林水産技術総合センター
お知らせ -記者発表-

ナシのせん定は年内に実施を!! せん定時期を早めて黒星病の発生を少なく

月/日
(曜日)
事務所等名 電 話 発表者(担当者) 配布先
9月29日
(火)

県立農林水産技術総合センター
(農業技術センター 環境・病害虫部)
 
0790-
@47-2447
A47-2400
所長 和田 眞由美
@研究主幹(防除指導担当)
 相野 公孝
A主幹(広報情報担当)
 井上 智
県政記者クラブ
北播磨県民局



 県内の赤ナシ産地では、黒星病(参考参照)の被害により20〜30lの果実が落果し、また、防除関係費用も多額となっています。防除の中心は農薬散布ですが、近年、農産物に対する安全性志向が高まるなか農薬に頼らない防除体系が求められていました。
 ナシ黒星病は、前年からの越冬菌が伝染源となることに着目し、生産者が行っているせん定時期(11月〜3月)よりも早く(年内に完了)、ナシの樹をせん定することによって、病気の発生を少なくすることを実証しました。
 現地では、約半数の生産者に取り組みが広がっており、今後も農業改良普及センターやJAを通じて、産地全体の取り組みとして普及していきます。

1 技術の内容と効果
 本技術は、病原菌の越冬を減少させることで翌春の果樹園内の菌密度を低下させ、病気の初発生を遅らせます。この結果、感染盛期(梅雨時期)の菌密度が抑制されることで年間の化学農薬による防除回数を約2割削減できるなど、防除効果が高いことを実証しました。
(1) 技術の内容
 黒星病の伝染源となる病気にかかったナシの徒長枝(りん片(ナシの芽付近)感染のおこった枝)を通常より1〜3カ月早い年内にせん定し、病原菌の汚染枝を果樹園内から取り除く。
(2) 技術の効果 
ナシ黒星病発生率(6/上旬
本技術実施果樹園 1l
慣行果樹園 6l

                  越冬菌による初発生の効果

2 本技術の普及上の留意点
○ナシ黒星病の多発している県南部の赤ナシ産地(神戸市西区)を対象とします。
○本技術は、IPM(総合的病害虫・雑草管理)の一つの技術として位置づけ、他の防除技術と組み合わせた防除を推進します。
・発病の多い果樹園では病原菌の密度が高く効果が出ない場合があります。前年の発病が多い場合は、本技術と併せて化学農薬の休眠期防除等が必須です。
・せん定枝は必ず園外に持ち出し焼却処分等果樹園の衛生に努めます。
・より効果を上げるため産地全体で取り組み、産地全体の菌密度を低下させることが大切です。
  ※:IPM(Integrated Pest Management の略で総合的病害虫・雑草管理)とは、化学農薬の使用も含む利用可能な全ての
    防除手段を検討し、適切に組み合わせることにより、農作物の被害を防ぐとともに、人の健康に対するリスクと環境への
    負荷軽減を最小限にしていこうという取り組み、考え方。


参 考

1 ナシ黒星病とは
○葉や果実が被害にあい、葉や葉柄に発病すると落葉し、果実に発病すると落果するか商品価値が無くなる。
○伝染源は、9月以降の病気にかかって落ちた葉とりん片病斑である。また、10〜3月にりん片感染がおこり、翌年の伝染源となる。
○特に赤ナシの中でも「幸水」は本病に対して感受性で、被害を受けやすい。
2 早期せん定が果実発病に及ぼす影響
○早期せん定により5月〜6月上旬の発病が軽減され、この時期の農薬散布回数が軽減できます。              

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