センター雑感

当センターの各部署が順に担当して、季節の風景や出来事など様々な話題を紹介します。
今月は農業技術センター 環境・病害虫部長 高木 廣が担当します。

虫と光

環境・病害虫部には土壌や水について研究する環境部門と農作物の病害虫について研究する病害虫部門があります。現在、病害虫部門の害虫担当は、光(特に紫外光)を使った虫の防除について研究を始めていますので、今回はその研究の基になる虫と光の話をしましょう。

◎ 昆虫の眼と人の眼では見える波長の範囲が違うのでしょうか。

   

昆虫の眼はおよそ300nm(紫外線)~600nm(黄色)の波長を人の眼は400nm(紫)~700nm(赤)の波長を認識できます。

昆虫は人に見えない短い波長の紫外線を見ることが出来るのです。

◎ 昆虫の色の認識は人とは違うのでしょうか。

2匹のモンシロチョウが菜の花の上を戯れて飛んでいるとします。
人の眼で見たら同じ白いモンシロチョウに見えますが、モンシロチョウから見ると・・・

   
左 メス   右 オス

このように、オスとメスの色が違って見えます。オスは間違いなくメスを見分け、子孫を残すことが出来るのです。

タンポポの花はどのように見えるのでしょう。

   
左:タンポポの可視光線画像(ヒトがみた場合)、右:紫外線画像(昆虫がみた場合)

蜜を吸う昆虫は蜜腺のある花の場所に迷うことなく無駄なく、飛んで行って蜜を吸う事が出来ます。

◎ この虫の光に対する行動、認識を利用して虫を誘引します。

コンビニエンスストアーの入り口近くの高い所に青紫色の蛍光灯が見え、時々バチバチと音を出しているのを見たことがあると思います。これは虫が波長の短い近紫外線を認識して誘引されることを利用して、不快害虫を駆除しているのです。

◎ 農業現場での光利用による害虫防除はどうなっているでしょう。

現在現場で利用されている光は忌避作用のある黄色の光です。多くの果樹園(桃、梨など)で、黄色蛍光灯を使用して、吸汁性ヤガ類対策で、淡路では、カーネーションのオオタバコガやヨトウムシ類対策で、また高圧ナトリウム灯を使用してレタスのヤガ類対策で利用され、効果をあげています。

現在は、紫外光に対する昆虫の認識、行動について研究しています。防除技術が開発されましたら、また紹介します。

「センター雑感」のリストページへ