センター雑感

当センターの各部署が順に担当して、季節の風景や出来事など様々な話題を紹介します。
今月は北部農業技術センター 畜産部 研究主幹 岡 章生が担当します。

神戸ビーフはなぜ高い?

「神戸ビーフ」は高級牛肉として世界中に広く知れ渡っています。高価であるため食べる機会はあまりないのですが、仕事柄、年に2~3回は記念日に食べることにしています。私の一番の好みはヘレステーキです。口に入れると甘い芳ばしい香りが鼻を通ってきて、噛むと肉汁が口の中にあふれ何とも言えない美味しさを味わうことができます。決して脂っぽくなく200g程度は軽く食べられます。至福の一時です。

今、この「神戸ビーフ」が過去に例のない高値で取引されています。それに伴い「神戸ビーフ」の素となる「但馬牛」の子牛価格も高騰し全国一の値が付いています(表)。

   

なぜ、「神戸ビーフ」、「但馬牛」は高いのでしょうか?

それは厳しい「認定条件」と「美味しさ」があるからです。「但馬牛(たじまうし)」は先祖代々さかのぼっても兵庫県生まれの黒毛和種でなければなりません。兵庫県以外の黒毛和種の血が入っていると「但馬牛」になりません。「但馬牛(たじまうし)」を兵庫県内で肥育し県内で屠畜したものが「但馬牛(たじまぎゅう)」です。業界用語で生きている牛は「うし」、屠畜して肉になったものは「ぎゅう」と呼びます。「神戸ビーフ」はさらに「但馬牛(たじまぎゅう)」のなかで脂肪交雑(霜降りの程度)が一定以上のもので枝肉重量が去勢260kgから470kg、雌230kgから470kgまでのものと決まっています。重量に上限があり、大きい「但馬牛」は「神戸ビーフ」になれないのです。このような厳しい条件のブランド牛肉は世界中探してもありません

美味しさと重量(大きさ)は関係があるのでしょうか?

農作物でも大きいものより小さいものが美味しいイメージがあると思います。牛でもそのような関係があることが畜産技術センターの研究で分かりました(図)。しかし、なぜ重量の小さいものが美味しいのかは分かっていません。但馬牛は県外の黒毛和種に比べ小さいので大きくしたいという思いは多くの生産者にあると思います。しかし、大きくなって美味しくなくなっては元も子もありません。そのためにも神戸ビーフの美味しさの研究を積極的に進めて、「重量と美味しさの関係」及び「美味しさに影響する要因」を明らかにする必要があると思います。

   
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