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兵庫県立農林水産技術総合センター

センター雑感

クリの不思議

  当センターの各部署が順に担当して、季節の風景や研究推進上の出来事など様々な話題を紹介します。
    今月は、北部農業技術センター 農業・加工流通部長 永井 耕介が担当します。
 「イモ・タコ・ナンキン」これは女性の三大好物とされている食べ物です。なぜ、その中に「クリ」が入っていないのだろうか。丹波グリ(大粒のニホングリ)の「焼きグリや蒸しグリ」を食べた人はその美味しさのためにおそらく幸せな気持ちになることでしょう。それなのに、なぜ、三大好物に入っていないのか不思議です。恐らく、丹波グリを食べれる季節(9月~11月)が限られているからかもしれません。
 クリにはビタミンCが豊富に含まれており、100g当たりに含まれる量はトマトの約1.5です。また、不足すると悪性の貧血や口内炎、食欲不足などの症状が現れるビタミンB群の1種の葉酸はサツマイモの約1.5倍量含まれています。
 とりわけ、丹波グリは大粒で美味しいことがよく知られています。そのクリの甘さを3倍にする技術があると聞けば驚かれるかもしれません。収穫直後(又は買ってきた直後)のクリを冷蔵庫の0~2℃の温度帯に約1ヶ月保存しておくと、甘さの主成分であるショ糖(砂糖)含量が約3倍に増えるのです。びっくりするほど甘いクリになります。0~2℃の低い温度帯のみで活発に働く酵素がデンプンをショ糖に変えてくれるからです。不思議だと思いませんか。
 デンプンは多糖類の代用的なもので、ブドウ糖が直鎖状又は房状に結合したもので、甘味としては全く感じないものです。そのデンプンが特殊な酵素で、ブドウ糖ではなく、ブドウ糖と果糖が1分子ずつ結合した2糖類のショ糖になるとは実に驚きです。
 また、丹波グリは季節限定と言いましたが、甘さが最高になった段階で、冷凍すれば、3倍甘いクリを年中食することが可能です。食べるときはゆっくり解凍するのではなく、凍結状態のまま蒸して下さい。できれば、圧力釜で蒸せば、粉質のこの上ない美味しい蒸しグリのできあがりです。この蒸しグリに少し切れ目を入れ、オーブンで焼くと香ばしい「焼き栗風蒸しグリ」の誕生となります。大きくて甘い丹波グリ「ビックリ」を是非ご賞味ください。 
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兵庫県立農林水産技術総合センター 北部農業技術センター 農業・加工流通部
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