<各脂肪酸の遺伝率>

脂肪酸

遺伝率

パルミチン酸(C16:0

0.496

パルミトレイン酸(C16:1)

0.528

ステアリン酸(18:0

0.548

オレイン酸(C18:1)

0.423

リノール酸(C18:2)

0.342

モノ不飽和脂肪酸

0.427

多価不飽和脂肪酸

0.346

飽和脂肪酸

0.429

 

 

 




 

兵庫県にはブランド牛肉の神戸ビーフ・但馬牛(たじまぎゅう)がありますが、畜産技術センターでは神戸ビーフ・但馬牛が「なぜ美味しいのか?」また、「より美味しくする」ための研究に取り組んでいます。


 「美味しい」と一言でいいますが、食べものの美味しさを決める要因はたくさんあります。甘い、旨い、苦い、酸っぱいといった味だけではなく、温度や見た目、雰囲気など様々なことが美味しさに影響するといわれていますので、「美味しさとは何か?」というのはとても難しいテーマです。しかし、今までの様々な研究から牛肉の美味しさには、柔らかさなどの「触感」、旨味などの「味」、食べたときの「香り」が大きく影響していることが分かってきました。現在、センターではこれらの項目について研究を進めていますが、今回は「香り」に関係している脂肪の質(脂肪酸組成)に関する研究をご紹介したいと思います。

脂肪酸には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があり、さらに不飽和脂肪酸には「モノ」と「多価」があります。なかでも、モノ不飽和脂肪酸は不飽和結合(二重結合)を一つ持つ脂肪酸で、オレイン酸、パルミトレイン酸などがあり、牛肉の風味や美味しさと関係が深いといわれています。脂肪酸組成にはその牛の品種、性別、種雄牛、季節、月齢や給与飼料など色々な要因が関係すると報告されていますが、但馬牛においては遺伝的な部分と環境的な部分がどのような関係であるかということが分かっていませんでしたので、調査しました。その結果、モノ不飽和脂肪酸は遺伝率が0.4程度と遺伝の影響を比較的大きく受けることが分かりました。つまり、美味しさに関係するモノ不飽和脂肪酸の割合は、遺伝子によってある程度左右されてしまうということです。神戸ビーフ・但馬牛が美味しいのは、県外産牛との交配をしないで純血を守ってきたおかげかもしれませんね。美味しさに関係する脂肪の質が遺伝の影響を比較的大きく受けるということが分かりましたので、遺伝的な改良にも力を入れて取り組んでいきたいと思います。




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兵庫県立農林水産技術総合センター

私の試験研究
当センターの各部署が順に担当して、特徴的な試験研究等の実施状況を紹介します。
 今月は、畜産技術センター 家畜部 研究員 吉田 恵美 が担当します。


美味しい牛肉を作りたい!

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