私の試験研究

当センターの各部署が順に担当して、特徴的な試験研究等の実施状況を紹介します。
今月は但馬水産技術センター 主任研究員 大谷 徹也が担当します。

調査船たじまによる底魚を対象とした調査研究

但馬水産技術センターでは、但馬の基幹漁業である底びき網漁業、かご漁業の振興に寄与すべく、ズワイガニ、カレイ、ハタハタ、ベニズワイなどの底魚資源や漁具を対象とした調査・試験を実施しています。その中から、間もなく竣工後1年を迎える漁業調査船「たじま」による底魚関連調査の成果の一部を紹介します。

底びき漁期前調査

底びき漁期開始直前にトロール網によりハタハタ、ズワイガニ等の分布状況、サイズ等を調査し、漁場や漁況の見通しについて情報提供しています。H21年8月の調査では、ハタハタは隠岐北方から大山沖にかけて比較的高密度の分布が認められました。(図1)

カレイ類幼稚魚調査

但馬沖合の水深150~225mにおけるカレイ類幼稚魚の分布域と生息環境を明らかにし、これらの管理・増殖手法について検討します。水深200m~225mでアカガレイ、ヒレグロ幼稚魚の集中分布が確認されています。(図2)

大型クラゲ混獲防除技術開発

底びき網に入網した大型クラゲを排出する機構を「たじま」の駆け廻し網に設け、水中ビデオカメラで観察しながら改良を進めています。脇網の排出口から、入網したクラゲの3~4割(個体数)が排出されるのが観察されています。(図3)

かにかご漁具改良試験

ベニズワイかごに入網する小型のカニを減らす為、脱出リング装着などの改良を加え、効果を検証しています。内径10cm脱出リングでは甲幅10cm未満のカニの漁獲を抑制する効果が認められました。また、水深1300mの海底でカニが脱出する水中映像の撮影にも成功しました。(図4)

   
左:図1 漁期前のハタハタの分布状況(但馬沖~隠岐島周辺)
右:図2 採集されたカレイ類幼稚魚(左:ヒレグロ、右:アカガレイ)

左:図3 脇網に設けた排出口より排出されるエチゼンクラゲ
右:図4 内径10cmリングから脱出中のベニズワイ
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