シーズ研究の成果分析技術
開発技術名 「近赤外線分光法を用いた生乳の鮮度評価技術」
技術開発の経緯
 兵庫県産牛乳は処理工場に近い立地条件で生産されることから、「新鮮さ」をアピールすることで需要拡大を図ることができると考えられる。
 しかし、現状では生乳の鮮度を客観的に評価する技術がないため、搾乳後長時間かけて県内処理工場へ搬入される北海道産などの生乳との違いを明確化する鮮度技術の確立が望まれている。
開発技術の内容

ア 10日間冷蔵保存した生乳の鮮度評価に適する近赤外線スペクトル波長領域は、保存日数の違いを判別する場合は中波長域(800-1075 nm)、保存日数を推定する場合は短波長域(680-800 nm)である。
イ 保存日数(1~5日目)の違いを判別する精度(正答率)は、平均75.2%である。保存日数を推定するための計算式は、その当てはまりの良さを示す決定係数が0.81以上、標準誤差が8.1時間以下と非常に高い精度である。
ウ 従来の鮮度評価法である滴定酸度の測定値には変化がみられない5日間という早期の保存期間においても、近赤外線スペクトルの解析により生乳保存時間を高い精度で予測することが可能である。
エ 経時的に変化する近赤外線スペクトルの波長領域は水分の蒸発、タンパク質の変化、酸化と関連しており、これらが生乳の鮮度低下の原因である。
近赤外線は人の目には見えない波長領域の光で、物質やその成分によって各波長の吸収度合い(吸光度)が変わる。この吸光度のパターンを近赤外線スペクトルといい、これを解析することで非破壊的に物質の成分などを分析できる。

期待する効果
 生乳鮮度評価に有用な近赤外線波長に限定した簡易装置を開発することにより、生乳の流通・加工現場での活用が可能となる。
連絡先 淡路農業技術センター畜産部  0799-42-4880       (作成者:生田健太郎)