センターからひとこと

(当センターの所長、次長、各技術センター所長等が順に執筆します。)
今月は 農業技術センター所長 兼 病害虫防除部長・病害虫防除所長 大西 忠男 が執筆しました。

農業技術センターでは、農業を取り巻く環境の変化や現場のニーズを踏まえ「食の安全安心」、「ひょうごのブランド力の強化」、「循環型社会の推進」の方向に即して本県の特徴を発揮できる技術開発を行っています。

農業技術センター各部の研究内容と現在の圃場の状況を紹介します。

作物・経営機械部では、水稲、酒米の新品種育成と栽培技術の改善、水稲、麦、大豆の奨励品種の選定、原々種・原種の生産と供給、農業機械の試作、農業技術の体系化、農作業労働管理の試験研究を行っています。

水田では早期栽培の水稲が出穂し、普通期栽培は穂孕(ほばらみ)期となっています。また、大豆類はもうすぐ開花期を迎えます。

新品種(普通期)育成試験
 平成19年5月25日播種
 6月26日定植

園芸部では、施設栽培のイチゴ、トマト、キャベツなどの野菜類、キク、バラ、花壇苗などの花き類、クリ、イチジク、ブドウなどの果樹類、薬草の栽培技術の改善、新品種の育成や兵庫県に適する品種の選定などの試験研究を行っています。

施設イチゴは、育苗期で本年より炭疽病対策として底面給水の試験を開始しました。施設トマトでは閉鎖型育苗装置で育苗した苗の水耕栽培を行い、10アール当たり年間50トンの収量を目指した研究を行っています。

キクは、栽培農家と共同で「ひまわりのようなキク」の育成に取り組んでいます。

ブドウ、イチジク、ナシは収穫期を迎えます。イチジクでは定植2年後に成園なみの収量が得られる5倍密植栽培法を開発しました。クリは果実が肥大している時期で、灌水による大玉生産をめざしています。

左:閉鎖型育苗装置でのトマトの育苗、右:トマトの水耕栽培
左:イチゴの底面給水装置の開発、右:密植栽培のイチジク

病害虫防除部では、農作物に発生する病害虫の発生生態の解明と防除法、有用動物、天敵微生物の利用の試験研究、農作物病害虫発生予察に関する調査を行っています。

病害虫では斑点カメムシ類の防除技術の実証試験を行っています。

また、定期的に県内を巡回調査し病害虫の発生状況をみながら農家、農業団体、農業指導者への情報を提供しています。

研究の成果は、「元気な兵庫県農業」に活かせるよう普及に努力しています。

農業技術についての相談は、専門の担当者が対応しますので、お気軽にどうぞ。