センターからひとこと

(当センターの所長、次長、各技術センター所長等が順に執筆します。)
今月は 総合センター総務部長 真砂 裕 が執筆しました。

「トライやる・ウイーク」で学んだこと
お父さんも会話が出来ましたか?

「トライやる・ウイーク」は平成10年度から実施され20年度で11回目となっています。加西市の当センターでは1回目から酒米試験地(社町)を含めて100名余を受け入れており、20年度も加西市の2中学から6名を受け入れました。(隔地事務所を含め総合センター全体で32名受入)

当センターでは、幅広い研究内容を少しでも多く体験していただくため下記の8作業を計画し、今年の生徒を待つことにしました。

  1.  花の収穫と調整、花壇苗の管理作業
  2.  なし、りんごの摘果
  3.  たまねぎの収穫と調整
  4.  水稲育苗管理と田植え
  5.  麦収穫調査
  6.  組織培養(培養したフキの移植)
  7.  牛の世話(飼料給与、畜舎清掃)
  8.  土壌診断作業

事前打ち合せに、加西中学の生徒が「トライやる」事業所訪問のために作成した自己紹介書を携えて来られました。自己紹介書には「小学校の頃は農業の手伝いをしていました。中学生になって忙しくて手伝えなかったが、様々な体験をしてみたくて希望し、学校では委員長をしており『責任』について学びたい。」等が丁寧に書かれており感心させられました。今どきの中学2年生はしっかりしている。

トライやる・ウィーク初日のオリエンテーションでは生徒全員が不安と緊張を隠せないぎこちない受け答えでありましたが1日の作業を終え帰宅し、翌日元気に出て来ました。レポートを拝見すると、家庭で元気に報告(お母さん、おばあさんは出てきますがお父さんは出てきません。私の子供も随分前に参加しましたが会話した記憶がありません。ごめんなさい。)していることが書かれており、保護者からの報告も家庭での楽しそうに会話する様子が伺われます。
 最終日「5日間の体験を振り返って」の意見交換を行いましたが、5日間をやり終えた満足感からか目が輝き笑顔がいっぱいでした。無事に研修を修了となり最後の挨拶もキチッと行い元気に帰宅して行きました。

泉中学の先生から生徒に渡している「トライやる・ウイーク体験記録」を頂きました。体験記録には学校からの注意事項に加え、生徒たちがみんなで考えた「全力で 挑戦!実践! トライやる」のスローガンがありました。(チャレンジする前にこんな事もされている。)
 活動目標も4点に纏められており、先生の指導もあるのでしょうが、中学2年生が実際に仕事に携わるためにみんなで話し合った取組姿勢が書かれています。
 目標4点の内容説明に感心させられましたのでご紹介します。

① いつでも、どんなことにも、一生懸命!
 本当の自分が表れるのは、人の見ていない所、見ていない時です。誰かに見られている場所や時だけ一生懸命やっても社会では通用しません。そんな自分自身にも納得できないはずです。「誰も見ていないから・・・。」ではなく、いつでも・どんな仕事でもしっかり力いっぱい取り組もう。

② 自ら挨拶・自ら行動 責任持ってトライやる
 トライやるは学校を離れての学びの場。実践の場。「知っている」を「している」に変えていく、広い社会で行動に移していく場です。受身の気持ちではなく積極的に行動し、言動に責任を持てる自分になろう。

③ 聴き、反応
 初めての経験で、わからないことは山ほどあることでしょう。よくわからなくてあいまいなときは自分で判断しようとせず、積極的に質問して、話の意味をしっかり理解しよう。また、言われたことに対してはしっかり反応しよう。

④ つかもう! 楽しさ・厳しさ
 くたくたに疲れ果てて帰る日もあるでしょう。しかし、自ら考え本気で取り組む、人任せにせず確実に最後までやり遂げる、そうすることによってのみ味わうことのできる、その仕事の楽しさや厳しさ、達成感や満足感があります。それらをつかむトライやるにしよう。

我々も仕事をしていく中で、言い方は違うが上司・先輩・両親等から幾度となく言われた事だと思います。大切にしたい内容だと思います。

研修終了後、参加生徒が書いた「トライやる・ウイークを終えて」の冊子が届きました。また、参加生徒からはお礼の手紙・ハガキも届きました。その中には「11月のセンター公開デーに行って皆様に会いたいです。」との記載があり、嬉しい限りです。
 トライやる・ウィークでの学校の先生の幅広い指導に頭が下がります。トライやる・ウィークに参加された中学2年生から学ぶこと、気づかされることが多々ありました。ありがとうございました。
 当センターは来年もトライやる・ウィークの受入事業所を続けていこうと思います。

トライやるウィークの様子