センターからひとこと

(当センターの所長、次長、各技術センター所長等が順に執筆します。)
今月は 農業技術センター所長 時枝 茂行 が執筆しました。

農業技術センターはこの4月に組織改編を実施しました。作物・経営機械部、園芸部と生物工学部が1つになり、農産園芸部となりました。また、病害虫防除部(病害虫防除所)と環境部が1つになり、環境・病害虫部(病害虫防除所)になりました。
 業務内容には特に変更はありませんが、本館2階フロアーに全員が集まることにより分野間での横のコミュニケーションが図られ、より一層効率的な業務の推進が期待されております。

さて、農業技術センターでは県における農林水産振興等の長期ビジョンである「ひょうごの農林水産ビジョン2015」が目指す『ひょうごの「農」を生かす社会の実現』を支えるための技術開発・普及を目標に掲げ、「食の安全安心」、「ひょうごのブランド力の強化」、「循環型社会の推進」の方向に即して技術開発に取り組んでいます。
 先般、5分野に分かれて試験研究課題の設計打ち合わせ会を順次実施しました。水稲等土地利用型作物分野では主要9課題他39課題、野菜分野では主要9課題他18課題、果樹・特産分野では主要5課題他12課題、花き分野では主要6課題他13課題、そして病害虫・農薬分野では主要12課題他19課題の、合計主要40課題他101課題につき詳細に検討を行い、大きな成果を上げるべく本年度の試験研究を開始しました。
 なお、個別の研究課題等につきましてはトップページに戻っていただき、各部門紹介、研究のご紹介および成果紹介等を参照ください。

ところで、県農政環境部の重点目標の最初に「地域の特性を生かした力強い農林水産業の展開」が掲げられ、「ひょうご農水産物ブランド戦略」が展開されています。本年度からはひょうご農産物ブランド化支援事業が始まり、新たなブランド品目育成型としては作付けを強く推進している「いちじく」、「さんしょう」や「ジャンボピーマン」、また高品質化を目指した「トマト」につき取り組み始めています。また、既存ブランドのレベルアップを図る品目としては酒米の「山田錦」、「丹波黒大豆」、「淡路タマネギ」、阪神間の「イチジク」の4品目を掲げています。農業技術センターとしてもブランド戦略に積極的に関わり、産地支援のために取組んでいきます。

当センターでは様々な作物を育て、試験を行っていますが、この時期に可憐な花をつける果樹があります。少し前は梅が咲き、続いて桃が咲いていましたが、今は梨と林檎が咲いています。日頃あまり見かけることがない種類だと思いますが、結構きれいで、十分花見ができます。下の写真でどちらが梨でどちらが林檎かおわかりですか。

左が林檎、右が梨の花です。
他にもマルメロの花(下左)やブルーベリーの花(下右)も今が見頃です。
一方、野菜ではハウスの中でトマトの花が咲いています。また、伝統野菜の「武庫一寸そらまめ」の実も育っています。
珍しいところでは、新規品目として葉もの野菜を中心に栽培を行っており、写真の「アイスプラント」もその1つです。

「アイスプラント」は南アフリカのナミブ砂漠原産で一部でフランス料理の食材として用いられていたようです。葉は肉厚で水分が多く、パリッとした歯ごたえの中にみずみずしさがあります。表皮に塩嚢細胞と呼ばれる2mm程度のキラキラ輝く粒が一面に付着しており、食べると塩味がします。市場に出回るようになりましたら、一度ご賞味ください。