センターからひとこと

(当センターの所長、次長、各技術センター所長等が順に執筆します。)
今月は 淡路農業技術センター 農業部長 小山 佳彦 が執筆しました。

淡路島の面積は兵庫県の中では7%(596km2)を占めているに過ぎませんが、農業生産額は24%(約226億円)を占めています。農業生産物の中で全国的に名を馳せているのが野菜ではタマネギとレタス、花きではカーネーションです。これらはいずれも全国3位の生産量を誇っています。

現在、淡路農業技術センター農業部では兵庫県における農林水産産業振興や農山漁村発展のための長期ビジョンである「ひょうご農林水産ビジョン2015」が目指す「ひょうごの「農」を生かす社会の実現を支える技術開発、普及」を目的に以下の課題に取り組んでいます。

1 「レタスを基幹とした多毛作における持続的安定生産技術の開発」及び「光を利用したキクの開花を遅らせない夜蛾類防除技術の開発」の2課題は、食の安全・安心を支える技術の開発の中の安全な農畜産物を生産する技術開発の分野で取り組んでいます。
 2 「タマネギ細菌性病害の防除対策の確立」、「タマネギ腐敗球の発生軽減並びに非破壊判別技術の開発」及び「重油使用量を低減するカーネーションの省エネ栽培技術の開発」の3課題は、ひょうごのブランド力を支える技術開発の中の地域特産物の販売促進をめざした生産・流通・加工技術の開発の分野で取り組んでいます。また前述の「レタスを基幹とした多毛作における持続的安定生産技術の開発」及び「光を利用したキクの開花を遅らせない夜蛾類防除技術の開発」の2課題は、この分野にも含まれます。
 3 「レタス栽培におけるウワバ類防除技術の確立」は循環型社会を支える技術の開発の中の豊かな自然環境の維持保全のための技術開発の分野で取り組んでいます。

これらの課題はすべて地元の要望に応えた緊急的な課題で、農業改良普及センター、JA並びに地元の生産者団体とスクラムを組んで、早急な技術移転を図るべく取り組んでいるところです。

最近の主要な成果としては、①レタスビッグベイン病の総合防除、②緑色・黄色蛍光灯・高圧ナトリウム・LEDによる花き・レタスのヤガ類防除、③強勢台木を利用した「不知火(デコポン)」の早期安定生産、④畝内表層施肥同時畝立て成型マルチャを用いるレタス施肥の減量・省力化の4つが挙げられます。これらはいずれも生産現場に直結した開発技術で、既に普及が進んでいる技術あるいは普及を推進している技術です。

農業部のスタッフは研究員、試験研究技術員合わせて13名(兼務職員2名含む)の小所帯ですが、淡路島の農業振興に向けて力を合わせて頑張っています。