センターからひとこと

(当センターの所長、次長、各技術センター所長等が順に執筆します。)
今月は 北部農業技術センター所長 長谷川 隆一 が執筆しました。

実りの秋を迎えていますが、但馬・丹波地域の特産作物として皆様は何が思い浮かぶでしょうか。但馬では、こうのとり米、二十世紀なし、季節は違いますが、ピーマン、岩津ネギ、アサクラサンショウなどもあります。また、丹波といえば丹波黒大豆、丹波大納言小豆、丹波ヤマノイモ、丹波栗と美味しそうなものが思い浮かびます。北部農業技術センターでは、これら特産作物の品種選定、栽培に関する技術開発を進め、より安全で、美味しい農産物の提供に努めています。

畜産では但馬牛ですが、皆様には但馬牛を素に生産された「神戸ビーフ」「但馬牛(たじまぎゅう)」のステーキ、しゃぶしゃぶを思い浮かべられるのではないでしょうか。当センターでは但馬牛の種雄牛を育成し改良を進めるとともに、飼養管理の試験なども実施しています。今後も口の中でとろけるような美味しい牛肉の生産指導に努めていきます。

また、県産農林水産物の品質評価・品質保持、農産物の加工技術の開発、県産食材を利用した商品開発の支援も行っています。このような支援により生産された農産物の加工食品は、道の駅、農産物の直売所などで販売されています。

さて、この北部農業技術センターはどこにあるのでしょうか。播但自動車道路で姫路方面から但馬へ行かれる機会があれば、和田山料金所を過ぎトンネルを抜ける辺りから左側に注意してください。ゆっくりと右にカーブし、景色が広がると緑の放牧地、銀色に輝く飼料用サイロ、茶色の屋根の建物が見えてきます。これが北部農業技術センターです。国道312号線からは、竹田の街の北側から、播但線を越えて、さらに播但自動車道路の通称めがね橋(虎臥城大橋)を抜けていただくと右手に見えてきます。当センターの全景は竹田城(虎臥城)跡からも見えますが、向かい側に位置する山城の郷から見ていただくのが一番と思っています。運が良ければ「帰って来いよ」の歌にあわせて放牧地から帰ってくる但馬牛が見えるかもしれません。美しい自然に囲まれたセンターですが、もう一つ魅力的な景色があります。皆様が見られる竹田城跡は南側からのものがほとんどですが、当センター玄関からは、春には桜、夏には新緑、秋には紅葉、冬には雪景色と北側からの美しい竹田城跡を見ることができます。このような美しい自然に囲まれた中で、今後も安全で、より美味しく、すばらしい兵庫県産農産物を皆様に提供できるよう研究に努めていきたいと考えています。

竹田城跡(左:春、右:冬)