センターからひとこと

(当センターの所長、次長、各技術センター所長等が順に執筆します。)
今月は 森林林業技術センター 木材利用部長 戸田 政宏 が執筆しました。

森林林業技術センターには資源部と木材利用部があります。
 木材利用部には研究担当に私を含め4名の研究員と1名の嘱託員、普及担当には3名の林業専門技術員と1名の林業普及指導員がいます。
 研究担当は、成熟しつつある県内森林資源の有効活用を図るため、県産木材の用途拡大、県産木材の品質確保、木質バイオマスの利用促進等の技術開発を主に行っています。
 普及担当は、森林・林業に関する試験研究の成果の現地適応化、林業技術の普及、担い手の育成に主に取り組んでいます。

主な取組の具体的な内容については次のとおりです。

1.県産木材の用途拡大(研究担当)

 ア、県産スギ材を横架材(梁・桁等)に利用する技術開発を行っています。

①たわみにくさの信頼性を高める「一般地多雪地に対応したエクセル版スパン表ソフト」の開発

② 高信頼性梁―梁仕口“Tajima TAPOS”の開発(特許出願中)

 イ、県産スギ材合板を用いた高付加価値な内装材の開発を行っています。

2.県産木材の品質確保(研究担当)

太陽光エネルギーを利用した低環境負荷、低コスト木材乾燥機の開発を行っています。

3.試験研究成果の普及(普及担当)

研究成果を木材関係業者等に技術移転を行うため研修会、成果発表会等を行っています。

4.担い手の育成(普及担当)

「フォレストワーカー研修」(新規就業者)、林業基幹技術者研修(将来の地域林業労働の中核)等の研修を実施しています。

5.その他

県内の木材関係業者からの木材強度等の依頼試験、木材関係団体が行う木材の乾燥技術講習会等の講師としての研究員の派遣、各種学会誌等への投稿など研究で得た知見、技術、情報等を幅広く県民に提供しています。
 また、アメリカ植物学会誌へも投稿「スギ辺材・移行材・心材における放射組織中の細胞間げきの機能」するなど世界規模での研究成果の情報提供に努めています。