センターからひとこと

(当センターの所長、次長、各技術センター所長等が順に執筆します。)
今月は 総合センター参事(連携調整担当) 田中 秀昭 が執筆しました。

このホームページをご覧のみなさま、はじめまして。私は、当センター参事の田中秀昭です。どうぞよろしくお願いします。

兵庫県立農林水産技術総合センターは、多様化する生産者や消費者ニーズを的確に捉え、安全・安心な食生活の実現に寄与する品種改良や生産・加工技術の開発、また、農林水産分野への普及による地域農業の振興に取り組み、各センターの機能を機動的に、効率的に発揮する総合的な試験研究機関です。

当センターでは、食と暮らしを創造するひょうごの「農」の実現を支える技術開発・普及を着実に実現するために、

①「農林水産物のブランド化に直結した技術開発」、②「食・自然両面からの県民の安全・安心を支える技術開発」という2つの重点項目に沿って試験研究を行っています。平成24年度では農業、畜産、林業、水産の各分野トータルで172の研究項目に取り組みました。

試験研究課題は次のような過程を経て採択されています。

(1)試験研究課題の要望調査
 農林水産業の現場の技術的課題を解決するために、農林水産業者、消費者、関係団体、行政機関などに要望調査を行います。
(2)対応方針の決定
 要望調査の結果、明らかになった課題について、(ア)既存成果で対応可能なもの、(イ)現地調査で対応するもの、(ウ)新たに試験研究が必要となるものに区分し、対応方針を検討していきます。
 試験研究として取り上げることが適当であると思われるものついては、「農林水産技術会議」や「外部評価専門委員会」による事前評価に諮ります。
(3)事前評価
 「農林水産技術会議」や「外部評価専門委員会」では次のような観点で事前評価を行っています。
課題解決型研究の場合 「必要性」(生産現場のニーズに応えるか?)
「有効性」(現場の課題解決に有効か?)
「効率性」(研究計画は効率的か?)
シーズ型研究の場合  「先進性」(新規性・独創性はあるか?)
「発展性」(実用化研究につながるか?)
「効率性」(研究計画は効率的か?)

事前評価で採択されて、晴れて、試験研究課題となります。(緊急的、突発的な重要課題には即時に対応することがあります)
 しかしながら、目論んでいた国庫補助が不採択となったりして、研究を断念又は縮小せざるを得ない場合もあり、当該研究の従事者が歯痒く思うこともあります。

平成25年度に入り、事前評価で試験研究として採択された課題に向けた取り組みが行われています。また、平成26年度以降の試験研究課題に向けた検討にも着手しているところです。
 予算面や運営面での制約があるなどなかなか厳しい現状がありますが、今後とも、研究ニーズを踏まえ、産学官の連携を密にし、課題化から成果普及に至るまで、より効果的、効率的に研究を進め、一歩いっぽ着実に、当センターの使命を果たしてまいりたいと思っています。