センターからひとこと

(当センターの所長、次長、各技術センター所長等が順に執筆します。)
今月は 総合センター次長(技術調整担当)兼畜産技術センター所長 山根正男 が執筆しました。

はじめまして

平成27年4月の人事異動で、県立農林水産技術総合センター次長(技術調整担当)兼畜産技術センター所長に着任しました山根と申します。兵庫県に就職し30余年が過ぎますが、県の試験研究機関における勤務は初めてのことです。よろしくお願いします。

試験研究機関の果たす役割は、ひょうご農林水産ビジョン2020が目指す「県民の食と暮らしを支えるひょうごの農の実現を支える技術開発・普及」を行うことであり、そのため多様化する生産者や消費者のニーズを的確に捉え、安全・安心な食生活の実現に寄与する品種改良や生産・加工技術の開発、農林水産分野への普及による地域農業の振興に取り組んでいます。

さて、農林水産技術センター本館の窓から外を眺めますと、新緑のなか爽やかな風が吹きわたり、麦秋を迎えた麦が黄金色に輝いています。

その向こう、農林水産技術センターの南東部に肉用牛、鶏、豚が飼育されている畜産ゾーンがあります。

畜産技術センターでは、兵庫県の畜産を支える技術開発を行うとともに家畜の改良、人工授精用精液や種畜の供給等の事業にも取り組んでいます。

特に、肉用牛については、世界的にも有名な“神戸ビーフ”、この“神戸ビーフ”は但馬牛(たじまうし)を肥育し、食肉センターに出荷された際に一定の肉質基準をクリアしたもののみが称することができるのですが、県内で但馬牛を飼育している繁殖和牛農家に人工授精用精液を供給するため種雄牛を管理、凍結精液を作成し、JA等に配布しています。

また、神戸ビーフをもっとおいしくするため、育種改良と飼育方法の両面から牛肉のうまみ成分を高める研究にも取り組んでいます。

なお、現在、韓国や台湾など近隣国で口蹄疫、高病原性鳥インフルエンザ等家畜へ伝染する病気の発生が報告されており、畜産ゾーンの見学は制限させていただいています。

ご迷惑をおかけしますが、家畜や家きんの防疫、特に但馬牛種雄牛、ひょうご味どり種鶏の大切さをご理解頂き、ご協力をお願いします。

【種雄牛舎と種雄牛】
但馬牛生産農家に精液供給する基幹種雄牛、検定結果がでるのを待っている待機種雄牛を飼育しています。