センターからひとこと

(当センターの所長、次長、各技術センター所長等が順に執筆します。)
今月は 淡路農業技術センター畜産部長 岡 章生 が執筆しました。

自動搬送式ミルカーを導入

当センターでは、2月末現在61頭のホルスタイン種乳牛を繋養し試験研究を行っています(写真1、2)。その内、お乳を出す成雌牛は35頭で、分娩直前のものを除いて毎日朝夕搾乳しています。搾乳はパイプライン方式で行っていますが、以前は搾乳ユニット(ミルカー)を手で運んでいました。今年度、搾乳作業の効率化を図るため自動搬送式ミルカーを導入しましたので紹介します。

1.導入した機器(写真3、4)

  1. 名 称:搾乳ユニット 自動搬送器(キャリロボ)
  2. 仕 様:30~40頭規模用、レール方式
  3. 特 徴:搾乳ユニットが自走しミルクタップへ自動着脱する。搾乳終了後は乳房から自動離脱する。
  4. 測定可能項目:乳量、乳温、電気伝導度、流量、搾乳時間

2.導入前との比較

導入前と比較して、搾乳時間、作業人員は少なくなっていませんが、搾乳ユニット(約7kg)の持ち運びがなく、労力が軽減され安全に作業でき牛をよく観察できるようになりました。また、以前はミルカーが自動離脱ではなかったため過搾乳になり乳房を痛める場合がありましたが、自動離脱により過搾乳がなくなり、乳房に優しい搾乳が行えています。

さらに、乳量、乳温、電気伝導度、流量および搾乳時間を個体ごとに測定し、より精密な飼養管理が可能となりました。

左:写真1 搾乳牛舎に繋養されている牛、右:写真2 飼料(エサ)を待っている牛
左:写真3 レールを移動する搾乳ユニット、右:写真4 搾乳中の牛と搾乳ユニット