さ か な 屋 さ ん の ひ と り ご と
前回は、兵庫県の日本海側(但馬地方)で獲れる海の幸から、「 良く似てるけど実は別もの(カレイ編 )」について紹介しました。今回は、「 良く似てるけど実は別もの(ウニ編 )」を紹介します。 写真をよ~く見て、違いを見つけてください。前回同様、ちょっとむつかしいです。青色のカタカナは標準和名です。
ムラサキウニは、殻は丸く直径は4~7cm程度で、棘は黒くて太くて長いです。但馬沿岸域では最も普通に見られる種類で、水深1~3m前後の岩礁帯やウニ穴などに多く生息しています。生息密度は多い所で1㎡あたり0.1~5個位です。身の入りは6~7月(初夏)に多くなり、8月以降は急激に少なくなります。
アカウニは、殻がやや平たく直径は4~8cm程度で、棘は赤色、白色、紫色があります。ムラサキウニに次いで普通に見られ、水深1~5m前後の岩礁の切れ目などに多く生息しています。生息密度は多い所で1㎡あたり0.05~0.2個位です。身の入りは7~8月(盛夏)に多くなりますが、その後はムラサキウニのように急激に少なくなることはないです。
バフンウニは、殻がやや平たく直径は2~4cm程度で、棘は他のウニより小さく細くて短いです。但馬産のウニ類では資源量が最も豊富で、水深1~2m前後の岩礁の切れ目や海底の砂礫石の下などに多く生息していて、岩石や海藻に紛れて見つけにくいことも多いです。身の入りは年により異なりますが、おおむね6~9月の間に多くなり、その期間は他のウニよりも長いです。
キタムラサキウニは、殻が丸く直径は4~7cm程度で、棘はムラサキウニよりやや細く短いです。ムラサキウニと同様の場所に生息していますが、よく似ていて見分けが付きにくく、量はかなり少ないです。
美味しいのはどれ? いつ頃?
ウニの種類によって可食部の成分に違いがあります。脂肪分は、ムラサキウニとアカウニの方がバフンウニより多く含まれていました。脂肪分が多いと水分は少ない傾向がありました。蛋白質はバフンウニの方がムラサキウニとアカウニより多く含まれていました。炭水化物はアカウニ、バフンウニ、ムラサキウニの順に多く含まれていました。
そしてこれらの成分は季節とともに変化し、多い時季は種類によって異なりました。脂ののっている時期 = 旬ではありません。(魚とは違うところです) 身入りの多い頃に蛋白質や炭水化物も多くなる傾向がありますが、この頃の直前が美味しい時期といえそうです。
但馬のウニを使ってつくってみました。