森林林業技術センター普及部の仕事
同センターは「総務調整担当」、「資源部」、「木材利用部」、「普及部」と緑化センターから成り立っている。
普及部は、現場の課題を解決するため、研究部門との連絡調整、研究成果の普及や林業者、林業後継者を養成するための研修、さらに、農林(水産)振興事務所(11事務所)の普及指導職員と全県プロジェクトを組織し、全県的な課題にあたっている。
林業普及の出来事
林業リーダー養成研修の講師依頼のため、「表土ブロック積工法」(根株や表土を盛土面に張り付け植生回復を早くする。)による壊れない低コスト路網で有名な、四万十町役場田邊氏に講師の依頼に行った。
同氏は講師の依頼が多く、林野庁の講師として群馬県から帰る途中に兵庫県に寄って講義をしてくれるのこと。バイタリティーに感心する。
今年も「トライやるウイーク」で山崎東中学校生徒5名を受け入れ、きのこの培地づくり、ハタケシメジの栽培地整備や間伐作業などを体験してもらった。
毎年よく当センターに来てくれるものと感心し、生徒に尋ねると、間伐作業の体験が面白かったと先輩から受け継がれているらしい。体験後アンケートでも、自ら鋸を使って木を倒す作業など、ゲームに慣れた生徒には新鮮に映るようだ。
林業普及指導員の研修(12名)のため、岡山県に収入間伐と集成材工場の取り組み事例の調査に行く。
現地で待ち合わせていたところ、自家用車から現れた女性が、若くて美人なのにみんなびっくり。彼女は伊丹市に在住し、岡山や三重に森林を保有している女性林業家であり、国の林政審議会の公募委員でもある。また、彼女は林業経営を引き継ぐと経営改善のため社員のリストラを断行、収入をあげるため「列状間伐」(樹木を直線状に伐採するため材の搬出がしやすい。)など様々な方法を試み、成果を上げている。
集成材工場は、兵庫県も県産材供給センターが平成22年に稼動することから、興味を持って見学。集成材生産では全国トップシェアを誇る会社で、すごいスピードでラミナ(木材を板状にしたもの)になり、集積、接着され、柱や梁が生産されていた。
原材料はホワイトウッド(ドイツトウヒともいわれクリスマスツリーにも使われる)が主流であるが、徐々にスギのウエートを高めたいとのこと。驚くのは生産の過程で発生する端材やおがクズなどは、自家発電の燃料やペレット(おがクズを鉛筆状に固めたものでストーブ等の燃料)にされ、廃棄物がほとんど発生しない。廃棄物は当県も課題となろう。
近頃、ガソリンが高騰してきた。森林資源がバイオエタノール等の資源として脚光を浴びる日も遠くないような気がする。