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センター雑感

当センターの各部署が順に担当して、季節の風景や出来事など様々な話題を紹介します。
今月は【水産技術センター 普及部】が担当します。

冬の訪れとともに、いよいよノリ養殖が本番を迎えました。ここ水産技術センターの前の海でもノリ養殖が盛んに行われています。今年は猛暑の影響で水温が高めに推移し、ノリ養殖への悪影響が心配されていましたが、今のところ順調に経過しているようで一安心しています。今漁期は色落ちが発生することなく無事に生産ができることを祈っている今日この頃です。

さて、普及部の仕事の一つとして、海外からの研修員のお世話があります。平成15年度にブラジルからの研修員を受け入れて以来、3年間受入がなかったのですが、本年4月に突然、(財)兵庫県国際交流協会の担当者の方から、海外研修員等受入事業による中国からの研修員の受け入れについて要請がありました。来日が7月で1ヶ月間日本語を勉強して、8月から翌年1月までの半年間、水産技術センターで研修を行って欲しいということでした。

研修員は中国の海南省水産研究所で、ウニやエビの種苗生産・養殖技術で数々の賞を受賞している優秀な研究員で、高級魚のハタの種苗生産の勉強を希望していました。しかし、本県ではハタの種苗生産は行っておらず、どうしたものかと思いましたが、まあ、日中友好のため、何とかなるかということで、受入を承諾しました。

研修員の名前は、覃鋭(たんえい)さん33才(男性、既婚)で、性格は明るく積極的に研修に取り組んでいます。今まで、(財)ひょうご豊かな海づくり協会のご協力により、栽培漁業センターでオニオコゼの種苗生産、中間育成の研修を行い、現在は、当水技センターでウチムラサキの種苗生産試験に取り組んでもらっています。

また、研修の合間に、内水面漁業センターや神戸市漁業協同組合等の施設見学を行うとともに、西播地域のアサリ養殖場や南あわじ市福良の魚類養殖場の視察を行いました。福良では、地元の福良漁業協同組合の前田組合長直々に案内していただき、その模様が組合長のブログに掲載されました(覃さん感激していました)。

覃さんとの会話は、筆談を交えて何とか行っていますが、文書の作成は、日本語と中国語は同じ漢字でも読み方が異なるため、ワープロ入力に苦労しているようです。しかし、わずか4ヶ月程度で、簡単な日常会話が出来るのですから、恐るべし中国人という感じです。

中国における養殖業の発展は目覚ましく、エビやアワビ(トコブシ)の養殖規模は日本の規模を超えており、我々が中国から学ぶことの方が多いのではないかなと思いつつ、この研修で、少しでも役に立つことがあればと願っています。

   
福良魚類養殖場にて(左:普及部 三木 中:覃氏 右:前田組合長