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センター雑感

当センターの各部署が順に担当して、季節の風景や出来事など様々な話題を紹介します。
今月は【北部農業技術センター農業部】が担当します。

朝来市和田山町安井にある北部農業技術センター農業部は、但馬・丹波地域の農作物の品種改良や栽培技術開発、特産の生産拡大に取り組んでいます。

ところで最近は地球温暖化の影響で、農業生産の面でも色々な影響が出ています。そうした影響かどうか昨年の冬はまれにみる暖冬で、私事になりますが1年目の北但馬では、ほとんど雪らしい雪をみることがなく何度も青空を見ることができました。これが但馬かと思えるような冬でした。

これまで経験したことにないあまりの暖かい冬に周りの農家は、山に雪がないと米づくりの水や病害虫が心配だという声をたくさん聞きました。もっと切実だったのはスキー場で早くからスキー場の閉鎖がありました。

ところが但馬2年目となる今冬は、南但馬の地に位置する北部農業技術センターで昨年とうって変わり雪に囲まれた冬景色を経験することになりました。毎日雪が降りつづくのは初めての経験で周囲の人に聞くとこれで普通とのことでした。そう今年の但馬は普通の冬に戻ったようです。確かに但馬では、冬には雪が降るのは当たり前、それが但馬の風土を作り出してきたといえます。

実はこの雪は生活していく上では大きな障害となりますが別の面では大きな恵みをもたらしています。多くの観光客の方々が但馬を訪れてもらうことによって地域経済に寄与してくれています。

そして但馬あるいは丹波地域では厳しい冬が特産物といわれる農産物を育み、旬を生み出しています。

今では冬の特産物として有名になった「岩津ねぎ」は、低温に遭うことによってとろけるような独特の軟らかさと甘さが増します。また米は豊富な雪解けの水によっておいしい米となります。こうした特産物の多くが厳しい冬の恵みによって育まれています。

春の訪れを待ちながら風土を活かした特産物の振興をより一層進めていきたいと念願しています。

   
左:雪に覆われた試験ほ場、右:岩津ねぎ
左:雪の中での果樹園の剪定作業、右:センターからの竹田城