普及が進む光による害虫防除
ハスモンヨトウやオオタバコガなどのヤガ(夜蛾)類は野菜や花、果樹など広範囲の作物を加害します。中でもオオタバコガは結球したレタスの内部やカーネーション・キクなどの蕾や芽の中に入り込むため、農薬による防除が困難な害虫です。光防除はこれらのヤガ類の防除に威力を発揮しています。
淡路島で最初に導入されたのはカーネーションのハウスで、1994年から黄色蛍光灯を用いた実証試験が行われ、その防除効果が確認されると、2年あまりのうちにほぼ100%のハウスに導入されました。
レタスの場合は、露地の畑で面積が広いので、蛍光灯より出力の大きい高圧ナトリウム灯が使用されています。
キクの場合は短日植物であるため、黄色灯を使用すると開花が遅れたり、不開花になることがあります。そこで緑色蛍光灯の効果を検討したところ、キクの開花を妨げずヤガ類の防除効果があることが確認できたので(2005年)島内の露地ギク産地に導入が進んでいます。
光防除はヤガ類の習性を利用した効果の高い防除法です。今後、LED(発光ダイオード)のような電力消費が少ない光源を用いた、低コストな光防除技術の開発を行う予定です。