今年も暑い夏がやって来ました。夏の暑さは人間にも相当こたえるものですが、牛、特に乳牛(ホルスタイン種)にとってはひとしおです。もともと北ヨーロッパが原産のホルスタイン種は特に暑さに弱く、気温が20℃を超えるとストレスを感じ始め、27℃を超えると体温の調節機能が追いつかなくなると言われています。牛は汗腺が発達していないので汗はあまりかきませんが、息が荒くなり、よだれの量が増えてきます。さらにエサを食べる量が減る、乳量が減る、繁殖成績が低下するといった症状が出始め、ひどくなると熱射病で死亡することもあります。
本県のような温暖な気候においては、酪農家の暑熱対策への関心は高く、生産現場では様々な工夫が行われています。当、淡路農業技術センターの乳牛舎においても、暑い夏の午後などは軽く30℃を超えてしまいます。これに対し、牛舎の屋根を白くして熱反射を促す、ファンによる送風や、細霧発生装置による気化熱を利用した冷却、といった対策を実施していますが、特に暑さでまいっている牛については、直接水をかけて体を冷やしてやることもあります。
省エネ、節電が叫ばれていますが、人も牛も無理のない範囲でこの夏を乗り切りたいものです。