内水面漁業センターは朝来市の田路川上流部にあり、田路川とその支流である奥畑川、桝谷川の美しく豊かな水を利用してチョウザメをはじめアマゴ、ヤマメなど冷水性の淡水魚を飼育しています。
春には桜が下界から10日ほど遅れて満開になり、山にはみつまたの白い花が咲き誇り、渓流にはヤマメの泳ぐ姿も見ることができるのです。
冬の間は訪れる人も少なかった当センターにも見学者が来訪するようになり、山間地の小規模集落である奥田路の集落に人の話声や笑い声が聞こえるようになるのです。
トライヤルウィーク参加の中学生、自然学級や環境学習で淡水魚に触れ合うのを楽しみしている小学生、走る県民バスで立ち寄られた高齢者グループなど年間千名を超える人々が淡水魚を育んでいる兵庫の自然環境の大切さを学習し、同時に奥田路の自然を楽しんで帰られます。
しかし、近年、山が荒れてきたのか、上流にある治山ダムが満杯になってきたのが原因か、大雨が降るたびに当センターの命綱である取水口付近が土砂に埋没してしまいます。
職員が一丸となって人力で土木作業をすることも度々ですが、来訪者の満足そうな笑顔を頭に思い描きながら汗を流しています。