貴重な自然がいっぱいの森林林業技術センターです!
宍粟市山崎町五十波にある森林林業技術センターは、昭和9年に兵庫県林業試験場として都道府県による林業試験場としては全国で2番目に設置され、今年で78年目を迎える歴史のある試験場です。
今回は、センターが管理しています珍しく貴重なもの3つご紹介いたします。まずは、樹木見本園にある「レバノン杉」です。レバノンの国旗に描かれているレバノンの杉は、この国の象徴とも言える存在です。紀元前2500年頃、地中海東岸を支配していたフェニキア人は、レバノン杉を使って船を造り、エジプトやヨーロッパとの交易によって繁栄したとされています。聖なる神の木としてあがめ、宮殿などの建築物から、ピラミッドの梁、棺にいたるまで、大量のレバノン杉が使われていたそうです。
次にご紹介するのは「ランシンボク」(ウルシ科ランシンボク属の高木の落葉樹)です。この樹木は、大正4年(1915年)に林学博士の白澤保美氏が中国の山東省曲阜の孔子墓所より持ち帰った種子を東京都目黒の旧農商務省林業試験場で苗を旧兵庫県立林業試験場長2代目の佐多一至氏が白澤博士から苗木を譲り受けたものです。別名「学問の木」「楷の木」「孔子の木」とも呼ばれています。
ランシンボクの多くは、国内の孔子や儒学にゆかりのある学校(湯島聖堂(東京都文京区)、足利学校(栃木県足利市)などで見ることができますが、当センターにあるのは、現在、樹齢77年、幹周り193cm、樹高16.2mで、国内では最大級のランシンボクとなっています。
最後にご紹介するのは、奥深い山の中にある当センター試験林の中で生息している「モリアオガエル」(アオガエル科アオガエル属)です。一般的なカエルは、水中に産卵するものがほとんどですが、モリアオガエルは水面上にせり出した木の枝などに粘液を泡立ててつくる泡で包まれた卵塊を生み付けることが特徴です。昆虫類やクモ類を食べて生活をしています。