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私の試験研究

当センターの各部署が順に担当して、特徴的な試験研究等の実施状況を紹介します。
今月は淡路農業技術センター 農業部 主任研究員 小林尚司が担当します。

畝内表層施肥同時畝立て成型マルチャーを用いるレタス施肥の減量・省力化

淡路地域のレタス生産において、肥料コストの低減や環境負荷の軽減を図る減肥栽培技術、経営面積の拡大に伴う省力化技術の開発が求められています。

そこで、畝立て成型マルチャーに施肥機を取り付け、マルチ被覆と同時に畝内の表層に効率的に肥料を散布し混和することにより、施肥の減量化と省力化を可能にしました。

   
畝内施肥同時畝立て成型マルチャー
図1 施肥方法・施肥量の違いとレタス球の肥大性
*:球の変形度 0:正常 50:軽い変形 100:著しい変形

全面施肥(慣行)の窒素成分量30kg/10aから表層施肥の20kg/10aに減量しても、結球重や球の形状が優れました。

   

南淡路農業改良普及センターがJAあわじ島管内の現地農家で実証試験を行ったところ、2L球の出荷数量は、全面全層施肥(慣行)の67箱/10aに対し、表層施肥20%減肥では151箱/10aとなり球の肥大性が優れました。また、施肥・畝成型・マルチ被覆の作業時間は、慣行の10a当たり2.7時間から1.8時間に短縮されました。

この技術を活用する場合の留意する点

  1. 本技術の導入には、既存のトラクターや歩行用テーラーに装着した畝立て成型マルチャーに加えて、新たに施肥機に15万円のコストを要します。
  2. 肥料の経費は、10a当たり慣行の3.6万円から2.4万円に削減でき、1.3ha以上の作付けをすることで導入コストが回収できます。