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私の試験研究

当センターの各部署が順に担当して、特徴的な試験研究等の実施状況を紹介します。
今月は農業技術センター 環境・病害虫部 主任研究員 小河 甲が担当します。

肥料をやらないで水稲と麦をつくり続けるとどうなるの?
(堆肥の効果は? 土の力は??)

当センターには、全く肥料をやらないで水稲(6月下旬~10月中旬)と麦(11月上旬~6月上旬)を二毛作栽培し続けている田んぼがあります。同時に、堆肥の効果を見るために、堆肥を毎年入れている田んぼも併設しています。この試験は、1951年から開始しているので、今年で60年目です。

人間はご飯を食べ続けないと生きていけないけど・・・。水稲と麦はどうなるのかな?

   
図1 長期肥料無施用が二毛作体系の水稲収量に及ぼす影響
図2 長期肥料無施用が二毛作体系の麦収量に及ぼす影響

肥料をやらないと麦の収量は低かったですね。でも、水稲はしばらくの間は意外とたくさんとれてました。同じ土壌で栽培しても、栽培する作物によって違うのがわかりますね。また、60年間全く肥料をやっていないのに、水稲も麦も収量が無くなることはないのでしょうか?とくに、麦の収量は試験開始当初から低かったものの、現在でもほぼ同じ量が収穫できています。どうしてこんなことが出来るのでしょうか?さらに、肥料をやらなくても稲わら堆肥をやっているだけで、収量は高くなっています。とくに水稲においては、肥料をやっているところとあまり変わらないですね。なぜなんでしょうか?

その他にも、収穫されたお米や麦の味も全然違うんです。この試験にはそんな不思議がいっぱいあります。その一つ一つを、解明することによって、私たちは新しい技術を作っていきます!