トップページへ

私の試験研究

当センターの各部署が順に担当して、特徴的な試験研究等の実施状況を紹介します。
今月は農業技術センター 農産園芸部 主任研究員 山本晃一が担当します。

イチゴの高設栽培 気化熱で培地の温度を下げて開花を前進・収量安定化
-できるだけ簡単に・できるだけ安く-

近年、地球規模で温暖化が進み、短日・低温で花芽を着けるイチゴは、開花が遅れ、収量が不安定になる傾向があります。このため、できるだけ簡単に低コストで温度を下げ、イチゴの花芽分化を促進し、収量を安定化させることが求められています。

そこで、近年開発されてきた培地の気化冷却法を、兵庫方式高設栽培装置に応用して、イチゴの促成栽培で開花を安定させる技術の実用化に取り組んでいます。

   

兵庫方式高設栽培装置内にある排水パイプに、ダクトで通風できるよう改造しました。反対側には、空気抜きを設けます。改造はこの程度で、非常に簡易なものです。

   
<送風の効果>送風により、地温は昼間最大3℃程度低下し、開花及び収穫開始が早まり、合計収量も慣行より多くなりました。(品種「さちのか」で調査)
<参考>送風機に代えて暖房機を利用して送風運転することで、より低コスト化につながります。