日本海で漁獲が急増したサワラ -その生態に迫る-
日本海では、1999年を境にサワラの漁獲が急増大しました。その要因として、サワラの主な分布域である東シナ海の資源量が増大したこと、日本近海の海水温の上昇など海洋環境の変化によって、サワラが東シナ海から日本海に来遊しやすくなったことが考えられます。
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本研究では、サワラが日本海でどのような分布、回遊をしているかを明らかにし、謎の多い日本海のサワラの生態解明に取り組みました。
これまでの調査から、日本海で漁獲されるサワラの生態について、以下のことが明らかとなりました。
- 日本海のサワラは5~6月頃に東シナ海でふ化し、9月頃に40 cm程度に成長して日本海へ来遊する。
- サワラは6~12月の間、急激に成長するが、冬~春は成長が停滞する。
- サワラは満2歳の春には成熟するが(雄の一部は満1歳で成熟!?)、それまでは日本海を回遊している。
- 成熟したサワラは、春の産卵期に再び東シナ海へ南下する。
- 兵庫県で漁獲されるサワラの多くは0歳魚で、2歳以上のサワラはほとんど漁獲されない。
これに対して、瀬戸内海では暖かい太平洋で越冬し、春に産卵のため来遊してきたサワラが漁獲されています。このように、サワラは日本海と瀬戸内海で異なった回遊パターンを示し、兵庫県の海域で漁獲されていることが明らかとなりました。
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