「ナラ枯れ被害」簡易な防除技術を探求する!
~粘着シート(かしながホイホイ)を用いた被害防除技術の開発~
本県において、かれこれ20年以上も前に北但馬から発生したナラ枯れ被害は、次第に南下傾向を示し、今や県中部にまで達しています。平成22年にはスポット的な枯れが神戸市灘区や川西市で確認され、注目を集めました。
この間、様々な防除技術も開発され、本県としても被害先端地を重点的に懸命な防除に努めているところです。対策のターゲットは被害を蔓延させるカシノナガキクイムシ(以下カシナガと略す)です。現在、被害木を伐倒し幹部と根株部をビニールシートで被覆し、くん蒸処理(カシナガの駆除)する方法や被害木や健全木の幹部に粘着剤を塗布し、樹皮表面に膜を張り物理的にカシナガの脱出・穿入を阻止する方法が主体的な防除法として実施されています。
しかし、被害木は胸高直径が30cm以上の大径木が多く、これらの防除方法には多大な労力と経費がかかります。その結果、残念ながら処理し切れない被害木がそのまま残るという現象は、松くい虫被害に通ずるものがあるのです。
「ごきぶりホイホイ」という商品は昔から有名ですが、昨年度そのメーカーであるアース製薬(株)は「かしながホイホイ」という商品を開発しました。ごきぶりホイホイと同様、虫が付けば逃げられないという20cm×100cmの粘着シートです(写真-1)。このシートの軽さや施工の手軽さ等に着目し、「かしながホイホイ」を使った簡易な防除技術およびその効果について研究しています。