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私の試験研究

当センターの各部署が順に担当して、特徴的な試験研究等の実施状況を紹介します。
今月は水産技術センター 資源部 主席研究員 五利江 重昭が担当します。

魚の年齢を知る方法 -全長40 cmのマダイは何歳でしょう・・・?-

魚の年齢を知ることがどのように役立つのでしょう?

資源管理型漁業

「魚の年齢を知る」ことで、成熟年齢やおおよその寿命がわかります。

また、年齢と大きさの関係がわかれば、大きさからその魚の年齢を推定できるようになります。これらの情報は、限りある資源を効率的に利用していくヒントを与えてくれます。そして、もっとも重要なことは、年齢別漁獲尾数から資源尾数が推定できることです。漁獲量や平均体重など、いろいろな情報を組合わせると、あら不思議・・・。資源尾数が計算できてしまうのです。

   
1歳のマダイ。コレなら鱗でも大丈夫

栽培漁業

種苗放流が行われているマダイなどの放流効果を確かめるために、再捕率(回収率)を調査します。再捕率は、ある年に放流した一群が、その寿命を終える間に再捕される尾数の割合のことです。

漁獲された放流魚の年齢を知ることで、いつ放流されたのかわかります。

   
7歳? 8歳? 9歳 ・・・?
   
マダイの耳石、2歳かな・・・? 切片でも2歳、間違いない!
   
まったくわからない・・・? 切片を見ると7歳、おおっ!

全長40cmのマダイは満4歳くらいです。

今後の展望

マダイ、ヒラメなど、今まで鱗や耳石表面を用いてきた魚の年齢推定精度を向上させるとともに、メイタガレイやオニオコゼなど、これまで年齢がよくわからなかった魚種にも取り組みます。