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私の試験研究

当センターの各部署が順に担当して、特徴的な試験研究等の実施状況を紹介します。
今月は北部農業技術センター 農業・加工流通部 主席研究員 田畑 広之進(食品加工部門)が担当します。

地域特産みその熟成適期の判定

みそは、地域特産加工食品の代表格で、兵庫県下各地で、地元でとれた米や大豆を使って、個性、特長のあるみそが作られています。

みその製造においては、仕込み後の“熟成”の程度が製品の品質(色沢や香味)に影響します。

そこで、県下地域特産みそ14製品について、熟成速度と熟成適期を調査してみました。

みその熟成の様子(仕込み直後)

地域特産みそはそれぞれ製法にも個性、特長があります。
(左:普通大豆使用、仕込み時にみそ表面をラップで被っている、右:黒大豆を配合、内袋で封をしている)

熟成速度は仕込み時の米(こうじ)が多いほど、塩分が少ないほど、水分が多いほど速くなります。
 県下地域特産みその熟成速度は“速い”タイプのみそが7製品(県南部地域のみそがほとんどです)、“ふつう”タイプが5製品(県北部地域が多いです)などでした。

みそは熟成により、みそ特有の色沢、香味を生成しますが、“熟成適期”は熟成速度によって異なります。
 県下地域特産みその“熟成適期”は、熟成速度が“速い”タイプのみそで仕込み後6~12か月、“ふつう”タイプのみそで仕込み後10~14か月でした。

みその品質が最も良い“熟成適期”に製品化することが望まれます。