ゲノム解析で特産鶏「ひょうご味どり」のもも肉割合が増加
我が国では、鶏肉の需要は、もも肉がむね肉に対して圧倒的に多く、価格もむね肉の2倍以上になっています。そのため、もも肉割合の多い鶏を生産することは、養鶏農家の収入増大につながります。県立農林水産技術総合センターでは、ゲノム解析によるDNAマーカーアシスト選抜を用いて本県の特産鶏「ひょうご味どり」のもも肉割合の改良を進めてきました。
その結果、もも肉割合と関係があるDNAマーカーを明らかにし、これを用いて、平成23年度に遺伝的にもも肉割合の高い「ひょうご味どり」が完成しました。
まず、2個のDNAマーカー(ADL0019及びLEI0068)が、もも肉割合に関係していることを明らかにしました。ADL0019は、ヒトの血液型のように、A、B、Cの3型があり、LEI0068にはAとBの2型があります。これらの型のうち、どちらのマーカーも、A型のもも肉割合が高くなりました(表)。つまり、両親が共にAA型ですと、その子供は、もも肉割合が高くなります。
そこで、両親の両マーカーがともにAA型となるように親鶏を選抜しました。その結果、その子供である「ひょうご味どり」の、もも肉割合の平均値は24.6%となり、従来の割合(20%)よりも4.6%増加し(図)、遺伝的にもも肉割合の高い「ひょうご味どり」が完成しました。