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私の試験研究

当センターの各部署が順に担当して、特徴的な試験研究等の実施状況を紹介します。
今月は淡路農業技術センター 農業部 主任研究員 石上 佳次が担当します。

二期作に適するストック品種

私は、淡路農業技術センター農業部で主にストックの新品種選定や作期拡大、品質向上に取り組んでいます。

淡路地域ではストックの二期作が行われています。ストックは冬期無暖房で栽培可能なため、昨今の石油価格高騰による影響が比較的少ない品目です。

既存品種「ホワイトアイアン」は、二期作目の作型では、充分に草丈を確保する前に花芽分化の適温に達してしまうため、目標とする切り花長が確保できない問題があります。

そこで、八重鑑別が不要な新規の無鑑別品種「ホワイトコランダム」を用いて、淡路地域で二期作に使用する品種としての特性を明らかにしました。

その結果、二期作目(11月播種、1月定植)に使用する品種として、無鑑別で良品規格を確保できる「ホワイトコランダム」の有効性が認められました。

   
図 播種時期別の切り花長の比較

「ホワイトコランダム」は、11月以降の播種では、「ホワイトアイアン」より切り花長が長くなり、出荷規格の良品となる、60cmの切り花長を確保できました。

無鑑別品種:熟練した技術を要する八重鑑別無しに、商品価値の高い八重咲きが80~90%になる品種。鑑別品種では一重咲きと八重咲きが約半数ずつ出現する。花き市場での価格は、一重咲きが八重咲きの五分の一程度になる。

ホワイトアイアン(左:一重咲き、右:八重咲き)

   
栽培作型例(△:播種、○:定植、□:出荷、↓:ビビフル(開花促進)処理)

今後は、二期作で秀品となる70cm以上の切り花長が確保できるような技術の開発を進めるほか、ストックの高品質生産につながる技術開発を進めます。