牛の胃液と肉の美味しさとの関係
畜産技術センターでは、世界的にも有名な「神戸ビーフ」の素牛である但馬牛の飼養管理に関する試験研究を行っています。但馬牛は肉質の良さから食味評価も高く、近年輸出が増加しており、今後さらに需要が高まると考えられます。但馬牛のブランド力を支える肉質ですが、但馬牛の優秀な遺伝的能力に加えて、飼料給与方法によってさらに向上できると考えています。
人は食物を直接消化吸収しますが、牛は4つの胃を持っていて、最も大きな第1胃の胃液中には無数の微生物が生息しています。そして、草等のほとんどの食物をこの微生物が利用し、牛はその微生物を利用することで間接的に栄養を得ています。つまり、第1胃での微生物の働きと肉質とを結びつけられる結果が得られれば、より美味しい牛肉づくりにつながる飼料給与方法が開発されるということです。こうした研究を通して、但馬牛が世界のトップブランドであり続けることを目指します。