センターからひとこと

(当センターの所長、次長、各技術センター所長等が順に執筆します。)
今月は 農業大学校 校長 武久 正篤 が執筆しました。

躍動する農業大学校の9月から11月の活動内容を紹介します。

9月1日から10月10日までの40日間、2年生は農家派遣実習のため、農家に寝泊まりし、現場の営農技術を学習体験しました。

農業大学校では、座学と実習により実践教育を教育方針の中心に位置づけ「師弟同行」のもとで、実践技術を学んでいます。しかし、生業としての農業に触れる機会は少ないため、県内の優れた農業経営を実践されている農業経営士・青年農業士等に派遣し、農作業のみならず、農家の経営理念や生活パターンについて身近に体験させることとし、あわせて将来にわたる人脈形成にも繋げたいとの考えで、派遣実習を実施しています。

実習が終わると、真っ黒に日焼けして身体は引き締まり農家の顔になって学校に帰ってきます。実習終了後の報告会では、どんな技術や作業を経験したか、農大で学んだこととどう違ったか、農家の生活パターンをどう感じたか、受け入れていただいた農家の農業への想いや経営戦略など報告を受けました。

猛暑の中での農作業で肉体的にも精神的にも鍛えられたようです。派遣農家や関係者との人脈も出来、感謝の言葉で締めくくられました。

10月22~23日にかけて、兵庫県農林漁業祭が明石公園で開催され、農大も参加しました。学生達が手塩に掛けて育てた野菜や花を、売り子になって来場者にアピール出来ました。「農大で私たちが作った野菜です買ってください」「とっても新鮮で生でも食べられます‥」と、いつもの学生とは違った一面が見られました。

来場者からは、「農大ってどこにあるの?」「この葉ボタン大きくならないの?」等会話も弾み、学生達は緊張の中にも楽しい時間が持てました。

11月19日~20日には、収穫祭を開催しました。テーマは「NO GREEN 農(NO)LIFE」です。地域の人達や、関係者がたくさん来て頂き、農大のパワーを見せつけようと、学生が実習で生産した大根・白菜等の秋冬野菜やパンジー・葉ボタンなどのポット苗を店舗に並べ対面販売をしました。

初日は、季節はずれの大雨。客足が遠のき欲求不満の残る一日でしたが、学生達は、「こんな日に来てくれるお客さんはありがたい」と、一生懸命対応していました。葉ボタンの販売では、ドロドロになりながら、お客さんの注文に合った葉ボタンを掘り出していました。

2日目は、何とか晴れ間も見られ朝から多くのお客さんが来場してくれ、昨日の不調がウソのように忙しい一日でした。模擬店では、そば・うどんの他、甘酒・ぜんざいなどでお客さんをもてなしました。本館の展示物もたくさんの人がご覧になり、農大の存在をアピールすることが出来ました。

特に、専攻ごとに工夫を凝らした模擬店では農産物の販売と違って客の反応が直に解るので、売り込みから製造販売までの間、笑顔を絶やさず対応していました。日頃、見る事の出来ない、伸び伸びした学生の表情が浮かび上がりました。

学生のパワーを見せつけるべく、準備期間を経て収穫祭当日は、一致協力して収穫祭を盛り立てました。
 農業大学校は、将来就農を目指す人や就農する人をサポートする人材の育成を使命としています。広く認知されるには、関係機関との強固な連携を図るとともに、地域に認知された「農業後継者育成の拠点」との位置づけが必須です。そのためにも、学生自らが元気で若者らしさをアピール出来る機会には力一杯対応する事が大切で今年も良い伝統が引き継がれました。

左:揃いのジャンパーで売り子になって、右:大声嗄らしての売り込みは最高潮
左:農家派遣実習打ち合わせ(現地にて)、右:こんな実習も(米の袋詰め作業)
模擬店では、一杯の笑顔で対応しました。お客さんとの駆け引きも絶妙で、普段見られない学生の一面を見ることができました。