小林君のお産介助日記(平成21年6月6日(土)) |
6月6日夜、バイトが終わって帰路についた時に電話が鳴った。「子牛が生まれるから来てほしい」。
牛舎に着くと1年生の岩見君の電話が先生につながっているからと訳もわからないまま手渡され「破水してから4時間たっていると今連絡があった。」と告げられ、「牛の膣に手を入れろ。」と指示された。
「破水後4時間も!もうだめだろう。」と思いながら、考えるまもなく手を突っ込んだ。膣内はヌルッとしていてとても熱かった。
入れてすぐのところに足が1本あった。2本目もすぐに見つかった。足先を膣の外まで引き出し1年生の森崎君がロープをくくりつけた。足を2本確保して頭を探した。手を奥まで入れていくとでかい塊があった。よく触ると耳らしきものに気がついたのでこれが頭だということがわかった。
この時、子牛がちょっと動いたような気がしたので「生きているかも?」と思い少し希望の光が見えた。
頭も確保した上でロープを引っ張る。1年生が3人(岩見、森崎、山脇)もいたので心強かった。
鼻まで出てきたときに口から舌が出ていたので「やっぱりあかんかも。」と思いながらさらに引っ張った。目がみえるところまで出てくると一気にズルッと体が出た。瞬きをしていたので生きていると確信した。
子牛を逆さに持ち上げて振り、口の中の水を吐き出させ、引き続き瞬きしていることと、息もしていたので親牛に子牛をなめさせた。
介助している途中で「ダメかもしれない。」と思うことはあったけど、「絶対に死なせたくなかった!」ので、無事生まれてきた時はとてもうれしかったし満足感でいっぱいだった。
全てが終わった後に長靴を見ると、中にめちゃくちゃデッカいうんこが入っていた。こんなことにも気がつかないくらい必死でやっていたのだと実感した。
親子ともに無事に生きていて本当によかった。
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