畜産専攻だより(畜産) |
畜産専攻は常時15頭の但馬牛繁殖牛とその産子および肥育牛32頭を飼育しています。
繁殖牛は1年1産を目指した繁殖管理、その産子はすこやかな子牛をつくるための育成、肥育は神戸ビーフの認証をめざした飼育を実践することにより畜産の基礎から最新の技術を習得することを目指しています。
今年度の畜産専攻生は、1年生10名(うち女子3名)、2年生11名(うち女子4名)の計21名で、畜産農家の子弟、農業高校出身者及び畜産未経験の学生も入学しています。 実習では飼料給与、除糞、牛舎清掃といった一連の作業に加え、牛の健康観察、追加哺乳量、発情チェック、飼料摂取状況記録等も日常の作業として実施しています。また、体重や体の発育測定、除角、削蹄、去勢といった牛体の管理、分娩処置、人工授精、疾病対策等についても学習しています。さらに、家畜保健衛生所による繁殖実習や血液検査、技術センターによる肥育管理対策や飼料の消化試験等関連機関との連携により、幅広く、高度な技術に触れ合う機会もつくっています。専攻ごとのゼミでは、テーマをきめて学生中心の討議をおこなっています。畜産では2年生が作成した「繁殖、肥育管理マニュアル」についての討議や卒業論文関連項目を題材として熱心な議論をかわしています。 2年生の卒業論文は、肥育牛グループでは4名で「ルミナップ添加による但馬牛肥育試験」として飼料にカシューナッツ殻油を主成分とした添加物を混ぜることによる採食性、枝肉への影響を調査しています。繁殖グループは4名で「但馬牛の定時授精前の卵胞成熟と血液性状の関係」として繁殖性の向上メカニズムを研究しています。さらに育成牛グループは3名で「代用乳の給与方法が但馬牛の発育に与える影響」として子牛の発育向上を目指しています。また、1年生も同様に繁殖・肥育グループに分かれ、2年生の卒業論文の手伝いをしながら研究手法を学ぶとともに、それぞれの課題に取り組み始めています。 子牛の誕生、事故死等動物の生死に直面することが畜産の現場では日常的な出来事です。日々、生命に関わる畜産という産業に真摯に向き合うことができる畜産人を養成することが畜産専攻の目標です。 |
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