平成29年度畜産専攻紹介 |
畜産専攻では、20頭の但馬牛繁殖牛とその産子および肥育牛32頭を飼育しています。
繁殖牛は1年1産を目指した繁殖管理、その産子は肋張りのある、すこやかな子牛をつくるための育成、肥育牛は神戸ビーフの認証をめざした飼養管理を実践するため、畜産の基礎から最新技術までを習得することを目指しています。
今年度の畜産専攻生は、1年生6名(うち女子1名)、2年生6名(うち女子1名)の計12名で、畜産農家の子弟は少なく、畜産未経験の学生が多くなっています。
5月には新しい牛舎が完成し、牛舎の移転を行いました。牛舎構造や飼養環境がこれまでとは異なるため、最初は人も牛も戸惑っていましたが、ようやく落ち着いてきたところです。
実習では飼料給与、除糞、牛舎清掃といった一連の作業に加え、牛の健康観察、追加哺乳量、発情チェック、飼料摂取状況記録等も日常の作業として実施しています。また、体重や体の発育測定、除角、削蹄、去勢といった牛体の管理、分娩処置、人工授精、疾病対策等についても学習しています。さらに、家畜保健衛生所など関連機関との連携により、繁殖実習や血液検査など幅広く、高度な技術に触れ合う機会もつくっています。
2年生の卒業論文は、大阪府立大学との共同研究により、繁殖グループでは3名で「GnRHワクチン剤による黒毛和種牛の精巣機能の抑制効果の研究」として、ワクチン投与による精巣機能の抑制効果と去勢手術後の侵襲性の軽減について調査しています。肥育グループは3名で「GnRHワクチン剤による黒毛和種牛の卵巣機能・発情行動の抑制と肥育に及ぼす影響」として、ワクチン投与による発情抑制効果と雌牛肥育への効用について検討を行っています。
また、1年生も同様に繁殖・肥育グループに分かれ、2年生の卒業論文の手伝いをしながら研究手法を学ぶとともに、それぞれの課題に取り組み始めています。
子牛の誕生、事故死等動物の生死に直面することが畜産の現場では日常的な出来事です。日々、生命に関わる畜産という産業に真摯に向き合うことができる畜産人を養成することが畜産専攻の目標です。
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