私の試験研究

 

 当センターの各部署が順に担当して、特徴的な試験研究等の実施状況を紹介します。

 今回は農業技術センター農産園芸部 研究員 赤曽部雅史が担当します。

 

 

 皆さんはブロッコリーはお好きでしょうか?日々の食卓やお弁当の彩り野菜として栄養豊富なブロッコリーはよく使われており、その需要が増えているのでここ10年間で国内の作付面積は拡大しています。

 わたしはそんなブロッコリーの生産技術の向上や省力化を図るため、日々試験研究に取り組んでおります。本稿ではそのブロッコリーにスポットを当ててみたいと思います。

 

1 ブロッコリーの生育予測技術について

「ブロッコリーは定植後、いつ収穫できて、どのくらいの量が穫れるのか?」

 これが分かれば生産農家は収穫時の雇用の調整や予約による有利販売につなげることが可能となります。そのため、生産現場ではこれらの情報を早くかつ正確に知りたいと望んでおり、生育予測は重要な技術となります。

 そこで、下の写真のように①定植してから花芽分化まで、②分化から出蕾(花蕾径2cm)まで、③出蕾から収穫(花蕾径12cm)までの3つのステージにわけて、温度などの環境データや今後の気象予測データ等から生育を予測する技術を開発しています。現在、品種ごとに各ステージの生育データを経時的に収集しています。

 

 

2 加工業務用ブロッコリーについて 

 「ブロッコリーの花蕾を大きくするには」

 冷凍ブロッコリー等の加工業務用の材料は外国産に依存しており、そのうえ、価格は国内産の約半分となっています。食料供給の安定化を目指し、外国産に依存するのではなく、国産による供給を実現するため、収穫量の大幅な向上や、収穫作業の省力化を目指しています。

 現在、加工業務用に適した品種を選定し、下の写真のように現状の青果サイズから花蕾を大型化(花蕾径16cm以上)させ、皆さんが日頃食べているフローレット状にした時の歩留まりを向上できる栽培方法について検討しています。また、大型機械を用いた一斉収穫による労力軽減も現地実証しています。