今日では、年中トマトを購入でき食べることができますが、日本でそれが可能になったのは、今から40~45年前です。それ以前は一部ガラス温室で栽培されていましたが、ビニールハウスの普及で、年中栽培され、一般の消費者も購入できるようになったのです。 本来、トマトは夏の野菜ですが、夏のトマトと冬のトマトでは味が異なっています。ご存知ですか。夏のトマトは冬のトマトに比べて、酸味(酸含量)が強いのです。実は人間も暑い夏には、甘いトマトより、酸味の効いたトマトを美味しく感じますし、逆に冬は酸味の少ない甘いトマトを美味しく感じます。不思議だと思いませんか。
トマトの味をもう少し考えてみましょう。普通料理で使う甘味はショ糖で、一種類ですが、トマトの甘味はブドウ糖と果糖がほぼ半分ずつのブレンド状態であり、トマト独特の甘味ができています。酸味もクエン酸が主体をなしていますが、驚くべきことに約10種類の有機酸を配合してあり、トマト独特の酸味が作り出されているのです。
トマトは赤く色付くので、私どもにとっても食べごろが分りやすい野菜です。トマトの花が咲いてから色付くまでの日数をご存知ですか。実は決まっているのです。品種によって多少異なりますが、普通のトマトは積算温度1000~1100℃で色付きます。積算温度1000℃とは1日の平均温度が20℃の場合は約50日、25℃の場合は約40日で色付きます。トマトのDNA(遺伝子)には、驚くべきことに温度計と記録計が備わっていたのです。
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