開発技術名

「紫外光照射を基幹としたイチゴの病害虫防除技術」

 

技術開発の経緯

 主要課題「紫外線を用いたイチゴのハダニ類密度抑制技術の開発(H26~H28)」により、UVB照射によるイチゴうどんこ病防除技術に加え、光反射シート(商品名:タイベック)と併用することで、難防除害虫であるハダニ類も同時防除できることを明らかにした。この技術の現場普及を速やかにするため、本課題により現地導入における問題点を明らかにし、その課題を解決した。

 

開発技術の内容

ア 高設栽培において、ランプ設置位置が低いため照射ムラが生じ、ハダニ類抑制効果が不安定となったが、天敵カブリダニ剤との併用により抑制効果は安定する。
イ 土耕栽培において、地温低下により一部の品種で生育不良気味となったが、光反射シートの被覆面積を7割にすることで地温の低下幅が半減し、生育への影響はなくなる。
ウ 光反射シートの設置によりイチゴうどんこ病に対する抑制効果がさらに高くなる。

 

期待する効果

 施設イチゴにおけるハダニ類及びイチゴうどんこ病を対象とした化学農薬使用回数を7割削減できる。(ハダニ類対象: 3回 ← 10回、 イチゴうどんこ病対象: 4回 ← 14回)
 慣行栽培に比べ、経費はかかるが収量は増加し、所得が約48万円/10a増加する。

 

連絡先

 農業技術センター病害虫部 0790-47-1222 (作成者:田中 雅也)