開発技術名

「『ひょうご雪姫ポーク』への飼料用米給与技術」

 

技術開発の経緯

 我が国において食料・飼料自給率の向上が緊急かつ重要な課題となっており、その対策として飼料用米の生産が奨励されている。本県では、平成25年度までに肥育豚への飼料用米多給技術を確立しており、肉質や経済性にも優位性が認められている。この成果を本県のブランド豚肉である「ひょうご雪姫ポーク」に利用し、特徴のある生産物を低コストで生産する技術を開発する。

 

開発技術の内容

ア 肥育後期の「ひょうご雪姫ポーク」に、エコフィード40%と粉砕籾米・粉砕玄米をトウモロコシと100%代替した配合飼料60%を混合した飼料を給与しても、発育やと体成績に悪影響を及ぼさない。
イ 粉砕籾米、粉砕玄米給与とも肉色、脂肪色及びマーブリングスコアにおいてトウモロコシ給与と差がない。
ウ 粉砕籾米では皮下脂肪中のモノ不飽和脂肪酸割合が有意に増加し(トウモロコシ比+1.4%)、玄米ではリノール酸割合が有意に減少する(トウモロコシ比-1.5%)。
エ 粉砕玄米ではロース肉中のグルタミン酸及びアスパラギン酸含量が増加する傾向にある(トウモロコシの1.1倍及び1.2倍)。
オ 粉砕籾米では1頭当たりの飼料費が安くなる(トウモロコシの91%)。
カ 食味は、粉砕玄米給与豚肉の香り、硬さ及び味がトウモロコシ給与豚肉と比較して有意に優れている。

 

期待する効果

ア 「ひょうご雪姫ポーク」の生産費の低減:1頭当たり肥育後期飼料費 約7,700円→約7,000円(粉砕籾米給与時)
イ 飼料用米を給与した「ひょうご雪姫ポーク」の生産頭数の増加:0頭(H26)→約2,000頭(H31)

 

連絡先

 畜産技術センター家畜部  0790-47-2430 (作成者:龍田 健)