開発技術名
「ヘアリーベッチ保有窒素量の簡易推定法と緑肥由来窒素の水稲吸収利用率」
技術開発の経緯
近年、県南部においてヘアリーベッチ(以下ベッチ)を水稲「ヒノヒカリ」の前に作付けて、土づくりと施肥量削減効果を利用し、環境に配慮した農法として推進している。これを受け、緑肥窒素の水稲吸収量を定量的に明らかにし、施肥量の削減が可能な栽培技術を開発した。
開発技術の内容
ア 緑肥窒素量の簡易推定法:従来は、m2当たりの緑肥生重から推定しており、省力化のため群落高から推定する方法を検討した。ベッチ「寒太郎」では群落高(cm)×0.3、「藤えもん」では×0.25でおよその緑肥窒素量(kg/10a)を推定できる。
イ この推定式を適用できる播種時期は、「寒太郎」の秋まきでは11月中旬頃まで、春まきでは2月下旬以降、「藤えもん」では3月中旬頃までである。播種量は、10a当たり4kg程度、かつ、全面被覆した場合である。測定はほ場外周を約10等分した地点から中をみて中庸な高さを読み平均値を求める。群落高は降雨や生育のピークを過ぎると低下するため継続的に観察する。ベッチの窒素含有率は、約3.5%、乾物率は約15%である。
期待する効果
水稲栽培前に緑肥をすき込むことで無肥料でも慣行並みの収量が得られ、肥料代の節約と地力の維持が可能となり、環境創造型農業に貢献する。
連絡先
農業技術センター農産園芸部 0790-47-2412 (作成者:松山 稔)