開発技術名

「有機栽培における美味しいホウレンソウ、コマツナを生産する土づくり指針」

 

技術開発の経緯

 現行の有機農業は、地域の自然条件に適合する経験的技術に基づいたものが多く、広く普及していない。有機農業推進法の施行(平成18年)を受け、本県においても誰でも取り組めるような技術が求められており、経験的技術を汎用化する必要がある。そこで、高品質な葉もの野菜を生産する土壌管理法を明らかにするために、県下の有機農業実践ほ場の土壌理化学性とその収穫物(ホウレンソウ、コマツナ)の品質との関係について実態調査を行った。

 

開発技術の内容

ア 糖含有率の高い美味しいホウレンソウ、コマツナを生産するためには、土壌EC注1)を0.3dS/m未満、土壌の易有効水注2)を8ml/100cm3未満とする。
イ そのための堆肥施用指針は次のとおりである。
 (ア)牛ふん堆肥等粗大有機物の過剰施用は、土壌中の易有効水を多くしすぎることにより、葉もの野菜の品質が低下する。このため、年間施用量は、水分60%換算の堆肥で、単年施用で5t/10aまで、連用施用で3t/10aまでとする。
 (イ) 堆肥は、炭素率(C/N比)が15未満まで腐熟が進行したものを施用する。
 (ウ) 堆肥原料は、動物質(家畜ふん)より植物質を優先する。
 (エ) 同質堆肥の単用、連用よりも、異質堆肥の施用(混合施用、ローテーション施用)を優先する。
注1)土壌EC:土壌の電気伝導度。土壌中の肥料成分量の目安
注2)易有効水:作物が利用できる土壌水のうち、作物根がほとんど抵抗なく吸収できるもの(pF1.5~2.7の範囲の水)。土壌中の細孔隙に保持される毛管水のうち毛管孔隙を伝って移動可能な水。堆肥施用により、増加する。

 

期待する効果

 有機農産物の美味しさや内部品質を消費者に認知してもらうことにより、ブランド化に貢献できる。

 

連絡先

 農業技術センター農産園芸部 0790-47-2423   (作成者:桑名健夫)