開発技術名
「繁殖関連ホルモン濃度の測定による雄性繁殖能力低下雄牛の検出」
技術開発の経緯
種雄候補牛の中には精子数、精子の運動性及び精子の形態などの一般精液性状が異常な個体や一般精液性状が正常にもかかわらず人工授精で雌を受胎させにくい精子を産生する個体が存在する。雄性繁殖能力が低下している種雄候補牛の増加は種雄牛造成を困難にし、但馬牛の改良に支障を来す可能性がある。
そこで、雄性繁殖能力が低下している個体の代謝及び精巣ホルモンの特徴を解析して雄性繁殖能力の検出法を開発する。
開発技術の内容
雄性繁殖能力に影響をしている繁殖関連ホルモンは、インスリン様成長因子I(IGF-I)とインスリン様ペプチド3(INSL3)であり、テストステロンは影響していない。
ア 一般精液性状が正常にもかかわらず人工授精で雌を受胎させにくい精子を産生する個体は、正常な個体と比べて血中IGF-I濃度が8か月齢以降低く推移する。
イ 一般精液性状のうち精子の運動性と形態が異常な精子を産生する個体は、正常な個体と比べて血中INSL3濃度が4か月齢以降顕著に低く推移する。
以上のことから、上記2種類の血中ホルモン濃度を測定することで雄性繁殖能力を判定できる。
期待する効果
雄性繁殖能力の早期判定の可能性及び改善技術への発展
連絡先
北部農業技術センター畜産部 079-674-1230 (作成者:坂瀬 充洋)