開発技術名

「丹波ヤマノイモの「粘り」の評価と簡易評価技術」

 

技術開発の経緯

 「丹波ヤマノイモ」は本県の主要な地域特産物として生産振興を図ってきているが、生食の減少など消費形態に変化が起こっている上、他産地との競争も激しくなっている。産地のブランド化を進めるためには品質的な差別化を図る必要があることから、特に品質の最重要の評価項目である「粘り」の評価法開発を行い、県内産ヤマノイモの優位性を検討した。

 

開発技術の内容

ア 「粘り」の評価法開発と評価
 ヤマノイモの 「粘り」は物性測定装置を用いた動的粘弾性(1Hzの振動を与えた場合の硬さの部分)での評価が適当である。貯蔵弾性率200Pa以下では「粘り」が弱く、400Pa以上では非常に強く感じる。篠山市産は250~500Paのものが多く、他県(産地)産に比べ「粘り」が強い。また、主要系統を評価したところ「青波」は中程度(285Pa)、「タカシロ」「秀丸」等は強い(540Pa)、「アオヤマ」は非常に強い(730Pa)がバラツキが大きい等の特性が明らかになった。
イ 「粘り」の簡易評価法
 ヤマノイモの水分含有率は58~74%と差が大きく、「粘り」との相関関係が高い (R2=0.83)。水分が69%以上で貯蔵弾性が200Pa以下となり「粘り」が弱く、65%以下で250 Pa以上となり「粘り」が強いと評価できることから、水分含有率はヤマノイモの「粘り」の簡易評価指標として利用できる。

 

期待する効果

 篠山市産のヤマノイモの「粘り」での優位性が明らかになり、産地としての優位性の情報発信を行うことができる。

 

連絡先

 北部農業技術センター農業・加工流通部 079-674-1230 (作成者:小河拓也)